1983年創業と、すでに35年にわたって在英イラン人たちの心の拠り所となっている老舗ペルシャ料理レストラン。創業後2年目にチームに加わったヘッドシェフ、ファシッド・ジアファトさんが現在は経営を引き継ぎ、彼の親族で切り盛りしているため料理のクオリティがそのままに保たれていることが大勢のイランゆかりの人々を惹きつけてやまない理由。ファシッドさんはテヘランで父親が経営していた高級レストランでトップシェフに付いて修業を積んだ、ロンドンでも指折りのイラン人シェフなのです。
インテリアはモダンとトラディショナルの間を行き来する絶妙のバランスが心地よく、サービスも◎。郷愁を感じさせるアットホームな中東レストラン風インテリアの中で、ひときわ個性的な輝きを放ちコンテンポラリーな彩りを添えているのはイラン人デザイナーのアリ・シアヴォシさんによるユニークなランプ・シェードたち! アリさんは台所用品やテーブルの脚といった日用品を再利用した照明デザインを得意としていて、中でもスプーンやフォークを使ったシェードは現代アートとも呼びたくなる作品。ぜひぜひこのレストランに来たらチェックしてください。
さて、イラン料理といえば、中東料理の中でも日本人の舌にも合うスパイス・ハーブ遣いで知られます。ロンドン市内のイラン料理レストランはこれまでに何軒も試したことはありますが、当店はその中でもトップクラスの美味しさだと感じました^^
スターターとしておすすめなのは冷菜をいくつか選んで、フレッシュな生地をタンドーリ窯のような窯でどんどん焼いていく特製の自家製ラヴァッシュ・ブレッドといただくこと。例えば中東料理によくある焼きナスのペースト、ババガヌーシュ。イランのものはクミンとコリアンダーが加わります。チキン・卵・ポテトをマヨネーズ・ソースで和えた冷菜なども食べ応えがあっておすすめ。こういった冷菜を頼むと、おそらく自動的に添えられてくるのがハーブをふんだんに盛り合わせた薬味プレート♪ ミントをはじめ、イランでよく食べられるハーブに加えて、クルミ、フェタ・チーズ、ネギなどと一緒に、イランのフラット・ブレッドを添えて冷菜をいただいていると、気持ちは遙かなるペルシャへと、ひとっ飛び^^
イラン料理にはもちろん肉のグリルがあって美味しいのですが(たっぷりのサフランライスと一緒にいただきます)、真髄はどうもホレシュトと呼ばれる煮込み料理にあると感じました。例えば代表的なものとしてはザクロとクルミのソースで煮込むシチュウ(フェセンジャーン)があり、当店ではチキンの煮込み料理として名物化していて、甘酢っぱさで知られるこの料理の甘さにフォーカスしているところが日本人の舌にぴったり♡ その他、サフラン、サンドライ・ライム入りのシチュウも見逃せません。
イラン料理で一番弱いと感じるのはデザートです^^; いくつかのイラン料理レストランを試した中で、これまで揚げ物系で日本人の舌に合うと感じるものに出会ったことはないので、無難にアイスクリームで締めることをおすすめします! サフラン・アイスクリームがあれば、ぜひ。間違ってもローズウォーターとバーミチェリのシャーベットに行かないでください〜・・・でもでも、経験として一つくらいシェアしてみても・・いいかもしれません ^^;
デザートはさておき・・お料理は本当に美味しいです! ベイズウォーター付近でお腹がすいたら、ぜひ♪