高架下にちょっとでもスペースがあればどんどん新しい開発対象になっていくロンドンで、南東部サザーク駅のすぐ近く、Old Union Yard Archesはサウスバンクの再開発の一環として2年ほど前に誕生しています。ここは「Union Street Theatre」や「Cervantes Theatre」をはじめ、シアター芸術系のユニットで賑わうカルチャー・スポット。その一画にモダンなイスラエル料理を提供してくれるレストラン、Bala Bayaがあります♪
1階がバーのようになっていていくつかテーブル席もあるのですが、ぜひとも予約の際にお願いしたいのは、2階メゾネット席。レンガのアーチがいかにも高架下らしいインダストリアルな雰囲気を醸しているユニークな空間で、客層はどちらかというと落ち着いた大人層。テーブルとテーブルの間が広いので、ビジネスでもプライベートでも、ゆったり親密な会話ができること請け合いなのです。
共同オーナー・シェフはイスラエル出身のエラン・ティビさん。経歴がふるっています。テルアビブのパン屋さんの家に生まれ、家業を手伝いつつ食に対する興味を育む中で独学シェフとなりますが、プロの知識を得たい一心でロンドンへ。なんとフレンチの名門料理学校、コルドン・ブルーに入学します。そこでさらに才能に磨きをかけ、卒業後はかのイスラエル=イタリアンの人気店オットレンギで4年間、ロンドン流儀の折衷料理を実践で身につけたのだとか。でも、ベースになっているのは生まれ故郷で自分が口にしてきた料理の味だそうです^^
料理はお皿によって甲乙ありますが、こういったレストランにしては珍しくメインのお皿がかなり美味しかったです♪ エビのビスクでいただく炭火焼のタコ料理にはイスラエルのクスクスと海藻が添えられ、トマト・キャラメル・グレイズの自然な甘みが口に広がると日本人好みの味に。
大評判だったのが丸ごとグリルしたシーバスをスパイシーなトマト・ソースでいただく一品。シャキシャキとフレッシュなフェンネルとパセリのサラダと一緒に口に運ぶと、ほのかにアニシードの香りがするソースとのコンビネーションが絶妙でした。
そしてデザートは当店の目玉の一つ^^ ピスタチオやゴマの風味豊かなバブカは甘酸っぱく調理したプラムも練りこまれ、甘さはしっかりあるものの、どんどんフォークが進んでしまう美味しさです。もともとバブカは東欧の伝統パンで、イースターに食べられるリッチな菓子パンなのだそう。チョコレートが練りこまれたリッチな菓子パンが定型みたいですが、当店でいただけるのはイスラエル風にアレンジされたものらしいです。このイースターは、バラ・バヤで美味しいバブカはいかが?^^
さらに甘さ控えめホワイト・チョコレートのチーズケーキはタヒーニ入りのサクサクとしたクランブルと相まって、こちらも至福の味。ともかくこれらの2つのデザートは間違いないと断言していいでしょう。
全体として、味は良いです。ただ小皿料理はお値段に比べて量が少し少なめだと感じたのですけど、4名でシェアしたからかも。2名なら小皿料理のシェアも十分に楽しめたかもしれません。人数が3名以上になる場合は、スモール・プレートはほんの前菜と考え、メインのお皿をしっかり分ける方が満足度が高い気がします。
さてさて、店名のバラ・バヤって、不思議な響きですね。ヘブライ語らしいのですが、どういう意味なのかは聞かなかったので明確ではありません(「女主人」という意味があるようですけど)。しかし何より目を引くのは、ロゴになっている「空飛ぶラクダ」^^ 。偶然ネット検索でこちらを見つけたときも、空を飛ぶラクダが描かれたイメージはなかなかインパクトがありました。落ち着いたレストランなので、接待などにも使えると思います。また近々、バブカを食べに行きたいな ^^