Bancone バンコーネ
昨年夏のオープンながら、すでにロンドン中心部の熾烈なレストラン競争の覇者として君臨している生パスタの王様。たまにではありますが、創業まもなく、その人気ゆえにすぐに風格を醸し始めるレストランというのがあり、バンコーネはそんな輝かしい店の一つなのかもしれないと感じています。
バンコーネとは、イタリア語で「カウンター」の意味。ウナギの寝床のように細長〜いスペースの奥までカウンターが続き、ランチの遅い時間帯でもぎっしりとお客さんが肩を寄せ合って座っています。ここは生パスタ専門店。約9種の本格的なイタリアの生パスタがメニューに踊り、毎日フレッシュな作りたてをいただくことができます。
この人気店の厨房を率いるのは、イタリア料理に並々ならぬ情熱を寄せるルイ・コロヴィラスさん。テレビでもおなじみ、イタリア出身のセレブ・シェフ、ジョルジオ・ロカテッリさん率いる高級イタリアン、ロカンダ・ロカテッリで働いていた経験と、日本人の間でも大変人気のある高級フレンチ、ピエダ・テッレのキッチンも経験された方のようです。通りで・・・^^
昨年からずっと気になっていて、ここ1ヵ月ほどの間に2回訪れました。その度にオンライン予約時もメインの時間帯は満席御礼。遅い時間しか取れないんです。案外ふらりと訪れるほうが座れるのかもと思ったりするのですが、やはり隅から隅までいっぱい^^; 一人ならフラッと来ても座れる可能性ありかもしれませんが。
短い間に2回訪れた理由は・・・じつは1回目の訪問時は花粉症らしき症状のため味覚障害に陥っており(滝汗)、リベンジ再訪したというわけです。ゆえに1回目にいただいたお料理の味は、残念ながら評価することができないのですが・・・一緒に行った連れは軽い調子で「美味しいよ」と。私とはレベルが違う超高級グルメに精通しているうえにイタリア料理好きの友人であるため、「こっちの穴があいたパスタはあまり好きじゃないわー」とか「だけど、ソースはこっちの方が好き」とか色々言っていましたが、私自身は残念ながら確認できず。せっかく名物の「ハンカチーフ・パスタのクルミ・バターとコンフィ・エッグ」を頼んだのに残念〜。食感はとても美味しかったですけど^^
そして万全の舌で2回目の訪問! 「アスパラガス、ズッキーニ、松の実のブカティーニ」、「スパイシー・ポーク・ラグーのマファルデ」を注文してみましたら・・・パスタ、ソースともに非の打ちどころがなく、どちらも止まらなくなる美味しさでした♪
ブカティーニの方は、春らしい早蕨のようなグリーンが目に清々しい一品。旬のアスパラガスの味を引き立てるのは、隠し味のミントの香りでした^^ パスタのソースにミントかぁ。参考になりますね。そしてラグーの方もイタリアン・サラミのンドゥイヤが刺激ある隠し味となり、濃厚なパスタ絡みにフォークがどうしても止まらないw どちらもたっぷりボリュームがあり、しかも一皿8.50ポンドと10.50ポンドのお手軽さです。パスタは8.5〜14.50ポンドの価格帯で、最も高いのはシーフードのパスタ。このリーズナブルさも人気の秘密かと思われます。
メニューは旬の食材によってどんどん変わるようですので、ぜひ季節が終わらないうちに、アスパラガスのブカティーニをお試しください! ・・・というわけで、2度目の訪問から想像しますのに、1回目でいただいた両パスタも美味しかったはず、と結論を出しました^^
ロンドン・ブリッジのPadellaの大成功で優秀なパスタ・レストランがいくつか登場し、ロンドンはちょっとした生パスタ・ブームになっています。お手軽で美味しく、満足感のあるパスタ。作り手にとっては原料費が安くコスパもいいのでしょう。お互いにWin-Winの人気ジャンルですね。生パスタ人気は、しばらく続きそうです。