クール・イスタンブールがSOHOに挑戦

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Yeni  イェニ

イスタンブールで創業したモダン・トルコ料理の「Yeni Lokanta」。実は2015年にイスタンブールを探訪した際、食事をしたことがあります^^   現地でもモダンかつ実力派の新レストランとしてすでに大評判となっていて、テーブル席はすっかり埋め尽くされていました。

ラッキーなことにカウンターに残っていた2席に滑り込みセーフ。ザクロ・ジュースを使った美しいベリーニのグラスを傾けながら、トルコ風ダンプリングのマンティや極上タコ料理などをいただいたことを今でも鮮明に覚えています。イスタンブールが少しずつ西洋風のレストラン文化を取り入れていた頃だったかと。その後、Yeniはワールド50レストランに選ばれたりして、どんどん名が知られるようになっていきました。

そのYeniが、今年2月にロンドンにやってくると知って大興奮♡  しかもSohoの一等地にオープンしたと分かって驚くと同時に、タッグを組んだロンドン・チームが相当パワフルなのだと思いを馳せてみたり(笑)。オープン直後は満席続きでなかなか訪れる機会がなく・・・しかしつい先日、やっと行ってまいりました♪

インテリアはモダン中東の正しい解釈。

このカジュアル感はなかなか良いです^^

インテリアは中東文化を意識した爽やかなモダン仕様。タイルと椅子の鮮やかなブルーに、テーブル・トップの淡いイエローと白い壁が阿吽で呼応しあっています。 テーブルを飾る小物一つひとつのデザイン・センスもよく、気持ちよく食事ができる空間。テーブルにつくとさっそくサービスの小さな中東ブレッド「アチュマ」がやってきて目が文字通り♡になってしまいました。

美しい佇まいに一目惚れした中東ベーグル

ベーグルをヒネったみたいな形に見えるでしょう?  味もそんな感じです。ただし塩気が少し強いので、ワインのお供としてちょうどいいのかも(ベーグルほどモチっと感はないので、茹でて焼いているわけではないと思う)。残念ながらお味は見た目ほど感動しなかったのですが、この佇まいの美しさでそれも許されてしまうw

この日は3名でディナーのアラカルト・メニューをシェアしました。価格は通常のトルコ料理よりも割高ですが、出てくるお料理を味わってみてこの値段設定もありうると思った次第。それほど料理のクオリティは確かでした。例えば、次回訪問時も絶対にいただきたいと思っているのが、12ヵ月熟成させたフェタ・チーズのソテー。カラメライズされたパリパリ表面の下に熟成チーズの旨味が横たわり、ハニー・ソースとヘーゼルナッツがバランスを整えています。塩気もさほど強くなく、フェタ好きな私としては大のお気に入りの一品となりました^^

熟成フェタ・チーズをハニー・ソースでいただきます♡ 熟成させるとフェタの塩気が取れるのかな? ともかく、お気に入りの一品です♪

ハマってしまったビートルートのサラダ♪

こちらの一皿も、これまでにいただいた中でもかなり上位に来るビートルートのサラダ。美味しさの秘密は、ビートルートをおそらくオリーブ・オイルで柔らかくすることである種のコクが生まれていること、サワーチェリーとの相性のよさ、そしてトッピングされているクレタ島産ソフト・チーズのまろやかさが相まっているところ。ドレッシングが殊のほか美味しく、このためだけにサワードゥ・ブレッドを別に注文しました^^ これまでに味わったことのない旨味があったのですが、なんだろう?

ホタテのグリル、チョリソー、いずれも美味しかったです♪

ホタテのグリルも美味しかった! 豆のペーストのようなものを添えていただきます♪  お約束のトルコのチョリソーは、これはまぁ、普通のトルコ料理屋さんでいただくのと、あまり変わらなかったかな^^;  でもマリネされたキュウリなど、付け合わせが上品。そしてそして、ラム肉好きならぜひ試していただきたいのが、スネ肉の煮込み。こういうのは間違いないですね^^

ラムのスネ肉煮込み。トルコ料理の定番ですが、ここではお値段張りますね〜。調理技術の違いか、はたまた家賃の違いか・・・

食べ応えはあります!

デザートも2品頼んでしまいました^^  一つはソルト・キャラメル・パンナコッタ、もう一つがベイクド・アラスカ。

ソルト・キャラメル風味のパンナコッタ。赤いソースは・・・

ベイクド・アラスカ! ラズベリー・シャーベットの甘酸っぱさが魅力

両方とも、とっても美味しかったです! ベイクド・アラスカはアイスクリームの内側にラズベリーのシャーベットが隠れていて・・・彩りも美しく麗しい一品でした。彩りでいえばパンナコッタのソースもビビッドですよね。これはパンプキン味のソースで、ソルト・キャラメル風味パンナコッタとのバランスがよい。こういった素材の組み合わせで遊ぶ創意工夫こそ、イスタンブールのYeniがレストラン賞を何度も受賞した理由なのかもしれません。

最初に出てきた中東ベーグルが塩辛かったことを除けば、ほぼ完璧なディナー。ちなみにこのレビューを書くためにウェブサイトでYeniのアラカルト・メニューを見ていたのですが・・・お値段設定が少しだけ下がっているかも。メニューを改定している印象です。10ポンド前後の小皿料理を増やして、取り分けてたくさんいただけるようなメニュー構成に変わっている気がします(訪れたときはスターター、メインの構成で、もう少し高めの印象)。これは朗報。3名以上で行くとバラエティに富んだ味を色々試せるかもしれないですね♪

それからこれも以前はなかったと思うのですが、ランチとプレシアターで2コース16ポンドの非常にお得なセット・メニューを出しています。しかもビートルートのサラダ、マンティなどがラインナップ。これは絶対に試して見るべし!

なんとなく・・・の印象ですが、デビュー当時の勢いが落ち着いて、いよいよ本格的にロンドン一の繁華街で他の強豪レストランとしのぎを削る体制に入らざるを得なくなってきた・・・そんな感じでしょうか。消費者としては嬉しい限りだけど、末長く続いて欲しいなと一ファンとしては思います^^

ところで・・・ イスタンブールのYeni Lokantaの写真、見てみたいですか? 4年前の写真がありました! タコもマンティも美味しかったな。雰囲気も素敵で。またイスタンブールに行ったら訪れてみよう。

55 Beak Street, London W1F 9SH

店名Yeni
最寄り駅Oxford Circus / Piccadilly Circus

住所55 Beak Street, London W1F 9SH
電話番号020 3475 1903
営業時間日〜金 12:00 – 14:30 / 17:30 – 22:30 土 17:00 – 22:30
URLhttps://www.yeni.london
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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