しばらく国外旅行は難しいなぁ・・・な〜んて、ため息をついている方、多いと思います。でも、そこは移民の街ロンドン。ちょっと視点を変えてみれば、いろんな異国をバーチャル体験できるはずなのです。
例えば南のストックウェルへ行けばポルトガルやブラジルを身近に感じられますし、東のKIngsland Roadを歩けば途端にベトナム気分に。メトロポリタン線に乗ってちょっと北東へ足を伸ばせば、インドのコミュニティが当たり前のように存在します。そして本日ご紹介するお店があるのは、北ロンドンのHarringay。ここはトルコ料理レストランが連なるハイ・ストリート、Green Lanesがある地域としても知られ、その長い通りを散策するだけで、イスタンブールにいるような気分を味わえることでしょう♪
Green Lanes周辺は、1950年代後半にキプロス島からの移民が数多く移り住んで定住した場所。その後はトルコ本土からやって来たトルコ人、クルドの人々、ブルガリア人たちもたくさん移り住み、国境を超えた地中海カルチャーのコミュニティを築き上げてきました。
そのGreen Lanesで、1999年から営業しているトルコ料理レストランのGökyüzü は老舗の一つであり、ロンドンに住むトルコ人たちが大きな信頼を寄せる伝統重視の店でもあります。店名はトルコ語で「空」と言う意味。「ゴ」の部分にアクセントがあるようです。
ゴキュズーのオーナーさんは90年代、シリアに近いアジア側のディープなトルコから移住してきた家族だとウェブサイトに書いてあります。ロンドンで「本物のトルコ料理」に出会うことが難しいと感じて今のお店をオープンしたのだそうですよ^^ テーブルにつくとすぐにサービスの自家製トルコ・パンとディップ類が運ばれてくるところは、本場トルコのホスピタリティを体現しているようでいつもドキュンと♡の矢が胸に突き刺さります^^
私は無類の中東料理のファンでトルコにも何度か行ったことがありますが、ゴキュズーの料理は確かに正統派だと思います。なぜ中東料理ファンなのか。まず何をおいても味のバラエティが豊富=栄養バランスが良いことです。フレッシュな野菜と肉、魚を、生、グリル、煮込みなど様々な調理法で食べさせてくれるところが素晴らしい。日本では馴染みのない豆料理、噛めば噛むほど味わい深い、ほんのり出汁を効かせたライスやバルガーも美味しいし、独特のスパイス使いもドンピシャ好み。辛すぎず、甘すぎず。中東料理というとケバブをすぐに思い浮かべる人も多いと思いますが、田舎に行くと本当は煮込み料理が主流なんですよね。素材の味を生かした素朴な料理が多いなーと、いつも感心させられます。
実は友人が主宰する「トルコ料理の会」なるものにも参加しており^^ 毎回違うお店で伝統料理を味わうわけですが、フムス、ファラフェル、レバー、ボレッキ、グリル料理など定番品を注文することになるので、各店の味比べができることも楽しみの一つなのであります。例えば羊のレバーは個人的には注文しないメニューの一つですが、この会に参加すると必ず食べることになる 笑 そして「どこのお店がベスト」と言えるようになるのですね〜。そしてゴキュズーのものはベストの一つです!
ゴキュズーは現在、ロンドン市内に4店舗を展開する小チェーンになってはいますが、基本的に家族経営の姿勢を崩さず、創業当時からのレシピ=本場の味を誇りを持って提供している庶民のための上質トルコ料理店の一つです。しかもこのグリーン・レーン店はインテリアがとってもコンテンポラリーで、ゆったりと食事ができるところも気に入っています ^^ 人数が多いとき、トルコ料理初心者さんを案内したいときは、ここに来て間違いないと思います。
4人以上いるとき、お肉好きがいるときは、ぜひぜひミックス・ケバブを頼んでみてください。日本の焼き鳥と同じく、ケバブの炭火焼き職人たちが丹精込めて焼いてくれる各種お肉のグリルをお腹いっぱいに堪能できます^^
デザートもここはクオリティ高いですよー。伸びるチーズをカダイフと言われる極細麺で包んでグリルするシロップ漬けの「キュネフェ」は、トルコ・デザートの定番。クロテッド・クリームそっくりのカイマックという中東のクリームを添えると至福です♡ もちろんバクラヴァとトルコ・ティーの組み合わせも捨てがたい定番の味。
ロンドン内の異国、Green Lanes。通りを歩いているだけでイスタンブールに迷い込んだような気分になれるので、ミニ・トリップ気分を味わいたい方にはGreen Lanesの散策、とってもおすすめです^^(Manor House寄りです!)