
Townsend タウンゼンド
東ロンドンのホワイトチャペル・ギャラリーといえば上質の現代アートを展示する公共スペースとして知られます。実は1901年設立と、その歴史は意外と長いのです。ホワイトチャペル周辺の歴史を知っているとこんなに格式の高いギャラリーがもう120年もこの地に佇んでいること自体に驚きを禁じ得ないのですが・・・1958年にはジャクソン・ポロックの展覧会をホストしています。その後もマーク・ロスコやホックニー、ギルバート&ジョージ、リチャード・ロング、フリーダ・カーロ、YBAなどなど有名どころをキチっとおさえ、粋なキュレートをしてきました。
そんな由緒あるギャラリー内に、コロナ直前となる今年1月に登場しているモダン・ブリティッシュ・レストランがこちら、Townsendです。伝統的にこのスペースには旬のレストラン事業家の方々が入る傾向にあり、以前は10 Greek Streetのチームが運営する素敵なカフェ・レストランがありました。が! 彼らに負けないブリティッシュ・パワー全開なチームが今回も引っ張っています^^

ホワイトチャペル・ギャラリー内に併設♪

界隈の喧騒を忘れる、とっても落ち着いた空間

家具もインテリアもミッド・センチュリー風です
まず厨房を率いるのがミシュラン・レストランでもあるピーターシャム・ナーサリーズで直前までヘッド・シェフを務めていたジョー・フォックスさん。季節の食材を活かすことに関しては誰にも負けない哲学をお持ちでGreat British Chefでも活躍されていましたね。そして相棒はここ数年でいくつかのモダン・ブリティッシュ・レストランを成功させてきたレストラン事業家のニック・ギルキンソンさん。若く情熱ある二人がタッグを組むダウンゼンド。でも滲み出ているのは成熟の薫り、五感で感じられるモダン・ブリティッシュの豊穣です♡

自家製フォカッチャ!美味しい♡ シェフはベーキングが得意みたい

ズッキーニの花の天ぷら! チーズなし。サクうま。

インゲンとジロール茸のサラダ! カラフルで美しい。キノコはピクルスになっててアクセントに♪

デヴォン産の蟹とピクルスにしたムール貝のサラダ。あっさりといい感じ^^

スロークックしたラム肉、ハリコット・ビーンズ、トマト、サルサ・ヴァーデ。鉄板の取り合わせですね^^ 構造上、2部屋に分かれていて、左の写真は私たちが座らなかった方のお部屋です
お料理はどれもとても繊細。そして彩り豊か! 濃厚になりがちな昨今の外食料理ですが、タウンゼンドは「あっさり」という言葉を使いたくなるほど素材へのリスペクトを強く感じます。本当に洗練された大人の味。日本人の皆さんもお好きだと思います^^

そしてデザートはベイクド・チーズケーキ。エルダーフラワーで風味付けしたグースベリーを添えた爽やかなチーズケーキの、なんと麗しきことよ。お味もさることながら、佇まいの美しさにノックアウト。非常にエレガントで、凛としたチーズケーキです。

ベークド・チーズケーキ&グースベリー。出色の出来栄え。

Townsendの店名は、このホワイトチャペル・ギャラリーが入った建物を120年前に設計した建築家の名前に由来しています。建築家の名前をレストラン名にしているお店はロンドンではちらほらとあり、いずれも成功しているのですが・・・この時期だからこそ、存続のためにぜひとも応援したい名店です。お値段もリーズナブルにおさえているので、みなさんもぜひ足を運んでみてくださいね。