ロックダウン明けに行くべき麗しのイタリアン

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Margot  マルゴ

いよいよ明日、12月2日からロンドンの飲食店は再オープン! どのお店も政府のアナウンスがあった当日から具体的な準備を進めているはずで、今回は2日のランチタイムから再開するレストランも多いようですね。11月・12月と言えば全てのリテールや飲食店にとってはかき入れどき。さて、明日から街はどんな風に変わっていくのでしょうか ^^

ロックダウン中、イギリス在住の皆さんは自宅で調理することが多かったと思うのですが、自分であまり作らないものってありますよね。私の場合は今回はなぜかパスタでした。イタリア料理風のものは作ってもなぜかパスタは作らない(笑)。そして11月末が近づくにつれて「外食したいものリスト」もどんどん増えていきました><

プロによる、プロが仕入れた素材と調理器具で作る、プロの料理。そして魔法の調味料は、シェフたちのパッション♡  これは志のあるレストランでしか得られないものですよね。言わば食のアートです。芸術って「生活必需品」に数えられていないみたいですけど、実は人の営みの中でも、最も重要なもの。人は元来、自分を表現するためだけに生きているのですから。「Art = 自己表現のための活動」なので、それはもう絶対的に私たちの日常生活になくてはならないものなのです〜 ^^

そんな本物の味に憧れつつ、ロックダウン最終日を迎えています。パスタを食べたい! と思ってすぐに思いついたのがこちら、コベント・ガーデンのMargotです♡(ウェブサイトでは3日からの営業と書いていますが、SNSでは2日からとなっています。予約される方はご確認ください)

ここはサルディニア出身のヘッド・シェフ、マルコ・サンナさん率いるチームがプロの芸術を追求しているイタリア料理店。2016年夏のオープンから数年後に現在のシェフに変わり、チームも変わりました。マルコさんは五つ星ホテルのコノートやリッツ、ランガムなどの厨房を経由してファット・ダックやスケッチにもいたという敏腕シェフ。実は彼のチームの一人に、私にとって大切なイタリア人の友人が加わっています。彼の名前はエンゾ・ブラッコ。何度かあぶそる〜とロンドンの記事でもご紹介しているのですが・・・

エンゾはアーティスト/ミュージシャンからシェフに転向した筋金入りのイタリア飯オタク。本場イタリアの上質食材を輸出入する仕事を模索しつつ、北ロンドンのカフェでイタリアン・シェフとしてのキャリアをスタートするや、オープン数ヵ月後にはトリップアドバイザーのロンドンのイタリア・レストラン部門でトップ5圏内を賑わす話題のシェフに。その後、中心部の本格レストランやパブで新たな修業を積み、現在はMargotの厨房で「パスタ・シェフ」として皆の尊敬を一身に集めています^^  すごい。本当にすごい。彼がシェフになったのはおそらく還暦すぎていたと思うのです。もちろん若い頃から料理が好きというのはあったと思いますが、強豪シェフがしのぎを削るロンドン中心部レストランの厨房で成功するって、やはりすごいです。

エンゾが作る自家製フォカッチャ。これ目当てでも来る価値あり ^^

インテリアはクラシックなヨーロピアン調。黒を基調にシックな雰囲気でまとめてあって、カジュアルにもセミ・フォーマルにも使えます^^  この日はエンゾとの再会を楽しみつつアラカルト・メニューからいくつかいただきました。

まずはビーフ・カルパッチョ。凝縮された旨味を保持する上質ビーフ+トリュフとパルメザンのナッティなテイストを、チコリの瑞々しさとほんの少しの苦味が中和♪  タコのカルパッチョ風マリネは色とりどりの野菜が飾られ、セロリの歯ごたえと一緒に楽しむ絶品スターター。そしてホタテのソテーはポテトとポロネギのクリームと一緒に・・・♡

ビーフ・カルパッチョ

ロックダウン直前の賑わい

タコのマリネ・サラダ♡

ホタテ♡ トリュフもふんだんに。

エンゾが作ってくれたパスタからは、カニ肉とマスカルポーネのラビオリ、サフラン・ソース♪ そして仔牛ラグーとペコリーノのカサレッチェを♡  いずれも研ぎ澄まされた職人の芸術を感じることができるでしょう。

カニ肉とマスカルポーネのラビオリ♡ チェリー・トマトがいい仕事してる。

エンゾのパスタ作り♪(お店のSNSより拝借)

仔牛のラグー! アルデンテが心地よい

ちなみにパスタ・ソースはもちろんヘッド・シェフのマルコさんによる考案で、エンゾはパスタ作りに専念しているそうです。そしてマスター・パスタ・シェフの称号をもらっていて、なんとパスタ作りのマスター・クラスまでレストラン内で開講しているそう! ロックダウン以前は月一くらいのペースで行われていたようなので、エンゾからパスタ作りを学びたいあなたは、ぜひぜひ申し込んでみてください♪

さて、この日はセコンディもいっちゃいました。ご覧ください、こちらの美しいハリバット(オヒョウ)・・・。香ばしくグリルされた完璧な火入れもさることながら、オイスター・マッシュルームとムール貝の出汁が美味しい。お腹いっぱいでしたが完食^^

写真通りの美味しさ♡

Margotでは、デザートも見逃せません。専属ペイストリー・シェフが素晴らしい芸術を披露してくれます!

ハウス・ティラミス! ビスケットも感動の美味しさ。

青リンゴ、マロン、リコリス、フィオール・ディ・ラテ・・・♡ どれもしっかり風味を感じられ秀逸!

自家製のアイスクリームとシャーベットを少しずつ味見させてくれたのですが・・・素材の風味を十分に引き出した素晴らしいテイストに仕上げています。ティラミスは食べ進めると中から濃厚なコーヒー・クリームが出てくる仕掛け ^^   ティラミス好きは必食の美味しさです♪

マルコさん(右)とエンゾ! なぜか家族のような感じ。

締めにホット・ドリンクを頼むと自家製チョコまで付いてきます^^  才能あるペイストリー・シェフさんの素晴らしい仕事に拍手。

創業者デュオはメイフェアの老舗高級レストラン「Scott’s」で出会い、その後ロンドンに限らずさまざまな高級バーやレストランの運営に携わってきたヨーロピアン。イタリア人のパウロさんが今年秋にオーナー職から退いた後、大のイタリア料理ファンであるフランス人のニコラスさんがディシジョン・メーカーとなっています。ロゴとして使われているダックスフンドですが、創業者の一人のお義母さんの愛犬なんですって。そしてマルゴというのは、そのお義母さまのお名前とか^^

お値段はこのレベルのレストランとしてはリーズナブルに抑えている方だと思います。現在はランチタイムのセット・メニューがお得! 2コース34ポンド、3コース38ポンドでMargotのエッセンスを存分に楽しむことができますし、ちょっとしたクリスマス・ミールにピッタリ。ランチタイム後の14:30からディナータイム前の17:00までは、シンプルな各種フォカッチャ・サンドを4.50〜7ポンドで提供。レストランがランチ後からディナー・タイムまでの準備時間に、こういった試みを取り入れるのはコロナ期ならではの工夫なのかもしれません。

ロンドンのトップクラスのレストランでありながら、家族のような絆を感じる小さなチームで頑張るマルゴ。エンゾのパスタをいただきに、また私もまた近々行ってみたいと思っています^^

45 Great Queen Street, London WC2B 5AA

店名Margot
最寄り駅Covent Garden / Holborn
住所45 Great Queen Street, London WC2B 5AA
電話番号020 3409 4777
営業時間火〜土 12:00 – 22:30 日 12:00 - 21:30
URLhttp://www.margotrestaurant.com
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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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