Sushi Tetsu 鮨徹
2012年夏のオープン以来、在英邦人だけでなく日本食びいきの非日本人たちの間で話題沸騰のお鮨屋さんがこちら。クラーケンウェルの裏路地にひっそりと佇む当店は、真っ白な外壁に映える深緑の暖簾をくぐった途端、カウンター7席の「何も足さない、引かない」ミニマル空間が広がり思わず背筋が伸びる思いがします。
城の主は神戸で修業を積み、ロンドンのNOBUで鮨を握っていたという高橋徹さん。提供するのは鮨と刺身のみ。単品注文か、もしくは20ポンドから始まるおきまり鮨、90ポンドが上限の刺身と鮨をミックスしたおまかせなどから選ぶことになります。
カウンターに座ると目の前に竹の葉が敷かれ、注文と同時に芸術品のような鮨が一つひとつリズムよく握られ目の前に置かれていく至福の時間……。美しくカットされた極上のネタと、ほどよい固さに握られたシャリが口の中でほどけていくその感触……日本人なら誰もが幸せの笑みを浮かべることでしょう。
選び抜かれた鮮魚をさばき、最高の鮨を握ってお客さんに食べてもらいたいという職人魂がカウンター越しにひしひしと伝わってくる緊張感も心地よさのうち。また数少ないお客同士、自然と始まるたあいのない会話を楽しめるのも当店ならではです。
予約は数ヵ月待ちの難関。でも鮨好きはマスト・トライ!