Bibo Shoreditch ビボ・ショーディッチ
もう大晦日。身内とのお正月が待つ日本だと思いますが、イギリスでは家族行事のクリスマスが終わって友人たちと楽しく新年を迎えるべく企画中。バブル感あふれるイースト・ロンドンにも、そんなパーティーにオススメのタパス・レストランが、昨年末にオープンしました。
場所はカリフォルニアに本拠地を置くホテルグループ、モンドリアンのロンドン支店、モンドリアン・ショーディッチです。地下に広がるゴージャスな空間に胸踊ります♪
Biboはスペインをはじめ世界5カ所で展開するスパニッシュ・タパス・レストランで、その統括オーナーシェフであるダニ・ガルシアさんは、ただ者ではない!
世界に名をはせるスペインきってのトップシェフの一人であり、アンダルシアを拠点に世界6カ国以上に20を超えるレストランを展開するフード・ビジネスの頂点に立つ男、なのです。
故郷のアンダルシアでキャリアをスタート。バスクの3つ星レストラン「マルティン・ベラサテギ」で腕を上げ、伝説の「エル・ブジ」の厨房も経験。自身のレストランを立ち上げた後はミシュランの星を立て続けに獲得。2013年にニューヨークへ渡って新しいガストロノミー技術を学び、アンダルシアに戻ってその経験を基にした新たなレストラン事業を始めました。同年2014年に現在のダニ・ガルシア・グループを設立し、世界展開へ。
2018年には自身の旗艦レストランだったアンダルシアの「ダニ・ガルシア」がミシュラン3つ星を獲得し、シェフとしての頂点を極めました。しかしその1年後に「ダニ・ガルシア」の閉業を発表。三つ星の維持にかかるあらゆる側面における労力を、より多くの人に自分の料理を食べてもらうために使いたいと思ったことが理由だとか。
おかげでロンドンに住む私たちが、その決断の恩恵を受けられるというわけ。イギリスではこのBiboが初出店のようです^^
訪れたのがクリスマス時期でメニューもフェスティブ仕様。テンションが上がります♪ お料理はアンダルシア地方のタパス料理に、ダニさんの確かな技術が反映されているという印象でした。
スペイン料理屋さんではそのお店の味を知るため、できるだけパン・コン・トマテを試してみるようにしているのですが、さすがダニさんのパン・コン・トマテ! まずこの料理にぴったりの、口当たりの柔らかなパンが選ばれていたことが高得点。トマトの水分がちょうどよく染み込み、食べる時はお口の中でトマトの爽やかさとガーリックの香ばしさ両方が優しく香り、サワードゥパンと好相性なのです♡
そしてスペイン風のお刺身(Crudo)はスズキ。黄ピーマンのソースで! 美しい盛り付けも嬉しかったのですが、お味の方も新鮮で美味。チリのパンチも効いてます^^
そして私のイチオシはこちら、特製トルティーヤ。これは初めて食べる食感で大変美味しかったです。中がトロトロなのは昨今のトレンドなのですが、一緒に焼き込むポテトが、おそらくダニさん流の技術でドライな食感に仕上げられていてとびきり美味しかったのです。水分を飛ばした、ネットリ&ホクホクのお芋。一口ごとに独特の美味しさが広がり・・・
天才だと思ったのは、上に添えられてくる小さなパプリカ。キャラメライズされて身がトロっとするまでじっくり揚げてあり、崩しながらトルティーヤに添えていただくとさらに味に厚みが加わるので、薬味の役割を果たしているのです。トルティーヤはぜひ、一度召し上がってみてください♡
締めにイベリコ豚のグリルを頼んでみました。いや、間違いないですね、こういうのは^^ お肉は柔らかく、かつ濃厚な味でした。
実はBiboの名物は、他にあります。それはパエリアのパスタ・バージョン「フィデウア」! 2名以上のボリュームで50〜110ポンドするので、3名以上で訪れたときにぜひ試してみたいと思っています。すでにいただいた友人によると、絶品だそうです^^ 私も食べたい!
さて、締めはもちろん滑らかバスク・チーズケーキ! ダニさんはバスクの3つ星レストランで腕を磨いた方なので、もちろん言うことなし。ブルーベリー・コンポートがフレッシュな食感を添えます。
Biboのタパスは間違いなく伝統を受け継ぐスペインの味。それをさらに研ぎ澄ませていったダニ・ガルシアさんならではの美しいタパス解釈であり、決して奇をてらったり、すでに完成されたものに逆らったりはしていません。きっと皆さんも納得できる味だと思います^^
今年も残りわずかとなりました。
良いお年をお迎えください!