Andanza アンダンザ
もうすぐ節分ですね。ということは立春です♡
日も長くなってきて、喇叭スイセンの黄色が眩しく感じられる今日この頃。「福は内〜」と声をあげながらラッキーを呼び込みたいあなたに「幸運」という名のタパス・バーを本日はご紹介しましょう♪
スペイン語で、Andanzaは「幸運・運」という意味。
食の先進地バーモンジーに2020年末に登場している渋めクールなタパス・バー、アンダンザからはバスクの香りが漂ってきます。というのもロンドンでも指折りのバスク料理レストラン「Donostia」とその系列店で腕をふるっていた女性シェフが、ヘッドシェフを務めているから。小さなオープン・キッチンで彼女がお料理をしている様子も見ることができます^^
とはいえ内装は刷新され、まるで小粋なガストロパブのような雰囲気。そうそう、ここはお向かいにあるガストロパブ「The Rose」と同じチームによるプロジェクトなので、パブ風インテリアはお手の物なのかもしれません。
ロンドン市内で数多くのタパス・レストランで食事をしましたが、ここのお料理はかなり好みでした。日本人の舌に合う、とも言えるのかもしれません。理由はスペイン料理にありがちなオイリーなしつこさが少ないことです。
例えば日本人が大好きなスペイン風イカスミのリゾット「アローズ・ネグロ」は実にさっぱりとしたお味。おかゆのような食感で好もしい。もちろんコクのある味が好きな方とは意見が分かれるかもしれませんが。
ガリシア風タコのグリルとポテトの一皿は、絶対に食していただきたい料理。タコはあくまで柔らかく、ポテトは十分な旨味を保持したまま焼き付けられたホクホク・ねっとりな逸品。ポテトの品種も重要なのでしょうけど、とにかく美味しかったです。
実はこの日、バスク地方に毎年繰り返し旅をしていて、現地にシェフの友人も大勢作り、ついにバスク料理の本まで出版してしまった友人がいたのですが、彼女も認めるお味だったようです^^ これはすごい。
柔らかピッグ・チーク!下に敷いてあるのはザワークラフトのピュレ。ポテトのチップスをトッピング。これもすごくさっぱりしたお味でした。美味しい! モリモリいけちゃいますね。
スパニッシュ・ハムの専門家もチームの一人です。私たちはいただきませんでしたが、ハモン系も美味しいと思われます。ワインはナチュールやオーガニックのものをラインナップ。雰囲気も本当に素敵なので、この辺りで小腹が空いたら一人でもふらっと立ち寄ってみようかな〜なんて気持ちになります。しかもありがたいことに、毎日オープン! 最近のロンドンの独立系有名店は月火を休業日にしているところが多いので、週初めに外食難民になりがちw なのでアンダンザは救世主でもあります。
バスク風チーズケーキもクリーミーで大変美味しくいただきました。ごちそうさまでした^^
ちなみに「幸運(Andanza)」という名前。その由来が気になります。
実はこのタパス・バーの佇む場所が、その昔はブックメイカー、つまり賭け屋だったからだそうです! 数多く生まれたはずのフォーチュンにあやかる店にしたいと、賭け屋に敬意を表した名前にしたのだとか。でも、負けた人も多かったでしょうにw フォーチュンに賭けるとは、なかなかポジティブな発想ですよね。いや、そこにもイギリス流のアイロニー精神が隠されているのかもしれません。
福は内!春よ早こい♪