「まるごとセルフケアの道具箱」で、わたしを慈しむ

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セージのお茶を飲みながら、このコラムを書いています。

たまに30度越えの暑い日もあるイギリスですが、基本は梅雨もなく、夏が涼しい(というか肌寒い)のが普通。7月は夏本番のはずなのに、ここ数日、また急に肌寒い日が続いています。そのせいか朝起きたら喉が痛かったので、庭のセージでお湯を注ぐだけの簡単な喉のセルフケアを思いついたわけです。

地中海原産のセージは、痩せた土地でも元気に育つことから、いまでは世界中で栽培されているハーブです。春先に薄くスモーキーグリーンの若芽が出て、初夏に紫色の花が咲きます。

ソーセージなど肉料理に欠かせない定番の香りなので、名前は知らなくても実は馴染み有る方も多いのでは? ほかにも私のお気に入りは、かぼちゃとの組み合わせです。特にセージとバターナッツスクワッシュは最高のコンビで、セージを効かせたパンプキンリゾットは美味ですよ♪

セージは浄化のハーブとされ、殺菌作用や消化作用があります。とくに喉の痛みに効くとされています。

また、その花言葉は「家族愛」「尊敬」「知恵」だそうです。

 

それで思い出す我が家のエピソードがあります。

社会人・大学生の子どもたち3人を巻き込んだ緊急家族会議を開くような事件が起きた今年のはじめ、そのせいで、めずらしく夫婦喧嘩をしてしまった時に、セージが役立ちました。

その時はセージのお香を焚いて、理不尽とも思える夫の怒りにザワザワした自分の心を鎮めることができました。空間の邪気を祓うのにも使われるのがホワイトセージということも見聞きしていたので、去年こんなセージ・バンドルを作ってあったんです。

邪気を払うセージ・バンドル

もちろん怒りだって蓋をする必要は無いし、怒りが悪いとは言いません。

ただ、この時は良くない種類の怒りのエネルギーが家中に充満していました。ですから、その邪気を払うようなつもりでセージ・バンドルに火をつけ、家中の隅から隅まで歩き、セージの煙でさーっと浄化してみました。

ちょっと癖があるのですが、たしかに心が高次の自分とつながるような神秘的な香りです。

セージに火をつけ、くゆらせて、部屋中を隅から隅まで歩く、その過程自体が儀式となり、ザワついていた心も鎮まりました。

ここで強調したいことは、ネガティブな気持ちや落ち込むことも当たり前。心に蓋をする必要ないということ。

人間ですから、誰でも心の奥底に抑圧して隠していた感情があるものです。
その消化しきれていない気持ちが「隠し金庫」にあって、何かをきっかけに出てきます。

でも、もういいんだよ
心に蓋をしなくてもいいんだよ
自分に正直にやっていいんだよ

と言ってあげたいです。

怖いと思うこと
怒りで目の前が真っ赤になること
寂しさでいたたまれなくなること
わけもなく涙が出ること

どんな感情もすべて「まるごと」ありのままに受け入れる。

それが、大きな初めの第一歩です。

まずいったん受け止めて、切り替えるための儀式やツールを持つと、思考や感情、行動の古いパターンを新しいパターンで置き換えることができるようになります。

そんな自分なりのツールを持っておくことを、わたしは「まるごとセルフケアの道具箱」と呼んでいます。

セルフケアとは、けっして贅沢でも自己中心的でもありません。日々の暮らしのなかで「わたし」のことを大切にして慈しむ習慣です。続けると心も身体も喜び、息を吸って吐くようにおおらかに生きる習慣が定着します。
変化はじわじわ訪れます。

小さな習慣
たとえば、喉の痛みに氣づく。

体調にあったものを飲んだり食べたりする、とか
夜ふかししたせいかなあ、とか
原因を探る、そして習慣を見直す。

そんな地道なプロセスで
塩梅をさぐりつつ、ちょうど良い加減をみつけること。

つい後まわしにしがちな「じぶんのメンテナンス」という小さな行動の変化が、おおらかに生きるスキルとしての 「まるごとセルフケア」です。

嬉しい副産物としては、セルフケアでじぶんを慈しむ習慣ができたら、まわりとの関係も変わります。自然のリズムで生きる習慣づくりが新バージョンの「わたし」へと進化の旅の原動力となるのです。

フレッシュセージのお茶〜春夏に
1)生のセージ、できれば若芽を摘んでマグに入れて、香りやエキスが出るようにスプーンで少し潰す。
2)熱湯を注いで小皿などで蓋をして5〜10分おいたら、葉を取り除いて召し上がれ。
3)お好みで甘みを足しても(砂糖その他の甘味料はすぐでも。ハチミツは50℃位に冷めてから加えること)

乾燥セージのお茶〜秋冬に
乾燥セージ大さじ1に250mlのお湯を注ぎ、5〜10分くらいおいて漉して飲む。喉痛のときに、冷ましたものを喉のうがいに使っても良い。

PS-
あるがままを認めようということ、こちらにもまとめました。良かったらどうぞ。
「乗り越えなくても、克服しなくても良い」

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About Author

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ヨガセラピスト、アーユルヴェーダヘルスコーチ。がんフレンズネットワーク主宰。神奈川県逗子市の海辺育ち。2013年から英国ロンドンとコッツウォルズの田舎でのデュアルライフを実践。皆さんが「今・ここ、この季節のじぶん」に必要なセルフケアを選んで実践できるように、身体からのアプローチで習慣を変えるコーチングを得意とする。身体も心もアイデンティティも進化させるオンライン講座、メルマガやブログ記事を英国から発信中。大好きなものは、野草摘み(Foraging)、手作りスキンケア、海、オペラ。 インスタグラム:@mariko.yoga

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2件のコメント

  1. LONDONEYEさま、コメントありがとうございます。

    無理にポジティブシンキングしなくても、
    まずは受け入れること。

    もちろん完璧にできなくてもOK。

    そんなつもりで、ゆる〜く行くと
    たしかに、氣が軽くなって来るかと思います♪

    どんな工夫をなさったのか、良かったら
    今度教えて下さいね。

    お読みいただきありがとうございます♡

  2. まりこさま

    ネガティブな気持ちや落ち込むことは当たり前で、心に蓋をする必要ない、どんな感情もまるごと受け入れることが第一歩‥‥‥、という言葉に心が軽くなりました。
    気持ちがどうしようもなくなるときやザワザワしてしまう時もありますし、
    空気悪いって感じる時もあります。そんな時は、セージでなくても、何か工夫して、
    邪気を払うことをしたいと思います。

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