コンコルドを見たい体験したい〜Brooklands Museum編

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前回はコンコルドの歴史と業績について書きました

退役してしまったコンコルドたちですが、実は今でも、英国、フランス、アメリカ、ドイツ、そしてバルバドスにて退役した彼らに会うことができるのです。

英国ではイングランド7か所、スコットランド1か所で出会うことができます。

場所 機体番号 製造番号 参考
ヨービルトン航空博物館 展示
Fleet Air Arm Museum
G-BSST 101 プロトタイプ
ダックスフォード航空博物館 展示
Imperial War Museum Duxford
G-AXDN 101(01) 量産型1号機
ブルックランズ博物館
Brooklands Museum
G-BBDG 202 量産型試験機2号機
マンチェスター空港内航空公園 展示 Runway Visitor Park G-BOAC

 

204 量産型4号機

 

ヒースロー空港
Heathrow Airport
G-BOAB

 

208 量産型8号機
ブリストル フエアロスペース・ブリストル  Aerospace Bristol G-BOAF(ex.G-BFKX) 216 量産型16号機
イースト・フォーチュン国立航空博物館 National Museum of Flight G-BOAA 206 量産型6号機

 

ロンドンから一番近い場所と言えば、ダントツに近いのがヒースロー空港の滑走路(Hatton Cross 駅方面)の脇にポツンと放置されている「コンコルドG-BOAB機」ですね。通称 ”Alpha Bravo”の名で知られていました。

道路からの眺め

滑走路タクシング taxiing中、機内から

こちらは一般公開はされていませんが、ま、外観はHatton Cross 駅駐車場からやSouthern Prerimeter Road から滑走路方面を見れば肉眼で見ることができます。

退役してから一時期はBAのターミナル5内に設置しようかなど(天井から吊り下げようなど!)といった計画も挙げられていたらしいが、2004年1月21日、BAコンコルドG-BOAB機はヒースロー空港の所有者であるBAAに寄贈されました。

しばらくは“Point Rocket”と愛称がつけられた滑走路23の近くに展示され、職員をはじめ、多くの乗客達がその情景を楽しむことができたが、残念ながら2006年5月10日に“Point Rocket”,から撤去され、BAが借りているBAエンジニアリングの所有地に移り今の「ぽつん状態」に至ります。

“Point Rocket”にあった時代のコンコルドG-BOAB

内装などは剥がされ、その多くがブルックランズ博物館にあるG-BBDG機の修復のために寄贈されたとのことである。

Brooklands Museum ブルックランズ博物館

ロンドンから行きやすく、コンコルドツアーもある博物館。
最寄駅はWeybridge駅(London Waterloo 駅から電車で30分弱)。

住所:Brooklands Drive, Weybridge, Surrey KT13 0SL
https://www.brooklandsmuseum.com

Weybridge駅からは少し歩いたところにあるバス停から436番 Working行きに乗車し、Mercedes Benz Worldバス停にて降りて(約6分乗車)、徒歩数分。時間帯によってはBrooklands Museum前にも停まる。Weybridge駅からタクシーで7~8分なので、電車の時間との乗り継ぎが悪ければタクシー利用もおすすめである。

このミュージアムは別の機会でも紹介しようとも思っているので詳細は割愛するが、ものすごく簡単に紹介すると、20世紀の初めのイギリス航空産業の中心地でもあり且つモータースポーツの世界初の専用サーキットがあった場所でもあり、サーキットの歴史/昔のレーシングカーの展示を始め、第一次〜第二次世界大戦で使われていた戦闘機から現地工場にて製造されたビッカース VC10 (Vickers VC10) 機などが展示されている。

モータースポーツ好きにも嬉しいが、飛行機好きにも魅力溢れるこのミュージアムに、コンコルドも展示されています。

ここに展示されているコンコルドは機体番号G-BBDG、通称“Delta Golf”として知られていた「量産型試験機」の一つである。またこの機は1974年に音速の2倍で100人を運んだ史上初の航空機でもあります。商業フライトでは使用されはしなかったが、航空会社の運航に必要な認証作業の大部分を完了するために7年間使用された機である。

TECHNICAL CONCORDE TOURではフライトデッキに行ける機会もある。

G-BBDGは試験機としての役目を終わった1980年代後半、フィルトン飛行場の敷地内の格納庫に保存され、幾度ともなく解体の危機が訪れたが、2003年にBrooklands Museumに提供されることが決まり、2004年に分割された機体の主要部分が運ばれ後に、博物館の100人以上のボランティアチームとサリー大学の学生たちによって修復された。

このG-BBDG機に実際に乗り込み、バーチャルフライト体験やフライトデッキ見学などの体験できるいくつかのツアーが提供されています。

コンコルド・シュミュレーター&体験ツアー

このミュージアムにはG-BBDG機の他にも1974年に製造され、ブリティッシュ・エアウェイズの乗務員の訓練用として使用されていた世界でもここだけにしか置いていないコンコルド・シミュレーターが存在します。


Technical Concorde Tourでは、このシュミレーターを見ることができます。

この他に、Fly the Concorde Simulator ツアーなどではブリティッシュ・エアウェイズのコンコルドの元フライト乗務員による指導で、実際に飛行訓練の際に行なっていたシュミレーター体験できるツアーも行われている。

めちゃくちゃ高額だが、なかなか体験できない機会という事もあり、人気もあるようで、今年のチケットは既に完売とのこと。2025年のチケットは2024年の11月末頃に発売されるとの事なので、興味がある方はリマインダーセットしておきましょう。

マンチェスター空港近くにある
Runway Visitor Park 

ここにはG-BOAC、通称Alpha Charlieが展示されています。

商業運航のコンコルドとして初めてアメリカ本土に着陸した機であり、ブリティッシュ・オーバーシーズ・エアウェイズ・コーポレーションの頭文字であるBOACの登録プレートを持っているため、コンコルドのフラッグシップ機とみなされていました。

ここも各種のコンコルド体験ツアーが催されています。その中には「Nose Droop」と呼ばれる折れ曲がる機首を実際に見ることができるツアーも含まれています。

その他にもお隣のフランスなどでもコンコルドを展示している場所がいくつかありますよ!

トゥールーズ (Toulouse)Musée Aeroscopia


暖かい季節〜夏こそコンコルド見学やを体験に最適な季節!

皆さんも是非、ご家族やオタクな仲間でいそいそと、あるいは一人でひっそりと、コンコルドの魅力を楽しんでみてください。

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リエコ・大島・バークレー。英国サリー州在住。薬草、毒草、ワイン、ゴルゴ13 をこよなく愛する飛行機オタク。海外出張が重なっていた8年ほど前に突然機内でエンジン音に恋に落ち、そこからすっかり飛行機の虜の人生となる。 本業はメディカルハーバリスト、アロマセラピスト、リフレクソロジスト。ロンドンのセラピールーム及び癌ケアセンターにてのセラピスト活動、オンライン及び日本での講座活動の他、時々イングリッシュワイン応援& 執筆活動も行う。 著書に『メディカルハーブハンドブック』(説話社)『ハーブの薬箱』(文化出発局)。フレグランスジャーナル社にて2023年まで『ゴルゴ13とハーブカード』連載。インスタグラム:ハーブ&アロマ関連 @herbalhealinguk  航空機関連 @rieko.747  ワイン関連 @winevineyard  

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