小・中・大? 航空機の大きさを知るともっと楽しくなる!

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今日乗った飛行機はなんだか狭いな? やけに大きいなあ? 
など感じたことはありますか?
 このコラムを読んでくださっている皆様の多くは、色々な大きさの飛行機に乗られたことがある方々だと思います。

今日はそんな「航空機のサイズ」について。知ることで、さらに業界を楽しんでいただければと思います。

実はですね、短距離用のリージョナルジェット・プロペラ機も入れて
小型、中型、大型機という形での区別となると、その区分け自体に曖昧なところが出てくることもあるのです。
運搬量=席数などでカテゴリー分けする方もいますし、
飛行機の胴体の長さでカテゴリー分けされる方もいらっしゃるでしょう。

ということで、人によっては「これは小型だ」いや「中型だ」「中型と大型の間だ」などとの
意見が分かれることもあります。

そんな背景もありますので、今回は「座席数を中心に考えたケース」にて
ざっくりとカテゴリー分けさせていただきたいと思います。

*席数は同じ型でも各航空会社によって異なることもありますので悪しからず~
*キャビンクラスについて:ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーをまとめて「4クラス」、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーを「3クラス」、プレミアムエコノミー、エコノミーを「2クラス」と分ける考え方があります。座席クラスの分け方は航空会社や機種によっても異なってきます。

リージョナルジェット、プロペラ機

席数は50〜100席前後

、基本飛行時間1〜2時間程度の距離を運行することが多い航空機となります。

ボンバルディア社(Bombardier)のボンバルディア CRJシリーズ
エンブラエル社(Embraer)のエンブラエル E-Jetシリーズ
ATR/共同事業体(Avions de Transport Régional )のATR 42

など、見た目からして「お、小さいね」と思わせるキュートな機体達となります。

英国ですとスコットランドを拠点とするLoganair社がATR42、ATR 72、Embraer145などの
リージョナルジェットを飛ばしています。

ATR72-600 Loganair社のリージョナルジェットはヒースロー空港にも飛ばしてくれています。

基本これらのリージョナルジェット機は、エクセターやニューカッスルなどの地方空港行きが多いのも特徴です。
ロンドンではシティ・エアポートにてこれらの航空機を沢山見ることができますよ。

小型機

席数で言うと150席前後から200席前後といったところ。

以前【航空機を見る楽しさ】エアバスA320ファミリーの萌え方でご紹介したエアバス社のA320ファミリーがこのカテゴリーに入ります(短胴型機は席数が100席前後となります)。ボーイング社のB737も小型に入ります。

エアバス社およびボーイング社は、航空機製造2大メーカーです。
A320の「A」はエアバスの略、B737の「B」はボーイングの略となります。


沖縄行きでお世話になることも多い、日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)の特別塗装機「ジンベエジェット」「さくらジンベイ」も、
B737 となります(機体番号JA05RK&JA06RK)。

解像度が大変悪くて申し訳ありません。ジンベイジェット初号機 B737-400

中型機

中型機ですと、型にもよりますが250席前後。

エアバス社では、
A330シリーズが挙げられます。ボーイング社では、B757。座席数200~280席前後で派生型も多く、大型機とカテゴライズする方もいらっしゃるであろう。

B767-400ER型ですと、座席は240席前後(3クラス)から最大400席前後以上(全てエコノミーの場合)装備できる形となります。B787の場合、 B787-8、 B787-9、  B787-10と、型によって
240~330席前後と座席数が異なります。

Dreamliner/ドリームライナーという愛称を持つB787は、この10年ほどで自分がめちゃくちゃお世話になっている機種の一つであります。

初めて乗った時には「おお〜〜画期的」っと “標準装備された加湿器の恩恵に、特に感動した事を覚えております 笑。
窓の電動式シェードに戸惑う方も多かったですよね。

ちなみにこの航空機はアメリカはもちろん、国際共同開発された機体でして、
複合材主翼や中央翼は、三菱重工、川崎重工業、SUBARU等にて製造されています。

小型機、中型機となると種類も増えて見分けがつきにくいかと思いますが、「A320ファミリーの違い
」でご紹介したように
、それぞれ特徴があるので、いつかまた個別にご紹介いたしたいと思っております。

B787-9 ロンドンー羽田線で数え切れないほどお世話になっております。

*こぼれ話①
ドリームライナー(B787)の部品を運ぶためのどデカい貨物機が
、ボーイング747 ドリームリフター(Boeing 747 Dreamlifter)です。世界に4機しかないこちらの特別貨物機、
日本では中部国際空港(セントレア)に飛行してます。
自分も何度か見ましたが、遠目からでも「どデカい感」がありました。

セントレア空港にて駐機中のドリームリフター

大型機

大型機のカテゴリー分けもは微妙なのですが、
ボーイング社からは、B777シリーズ
エアバス社では、
A340シリーズA350ファミリー等があります。

ボーイング社
B777シリーズ

Triple Seven / トリプルセブン の愛称で呼ばれています。

例:「今回はトリプルセブン で帰国だよ〜」みたいに使えます。

JALのトリプルセブン777-300ER

ロンドンから日本に帰国される方には
、双発機(2基エンジン)としては世界最大のB777-300ERに乗られた方が多いと思います。 




二代目日本国政府専用機も、こちらの機種になります。

二代目日本国政府専用機 B777-300ER

B777-300ER



超ベテランの頼れる機種でしたが、世代交代の時期に入りまして、
今年になってブリティッシュ・エアウェイズやJALでA350-1000の運航が始まり、一部退役の動きが始まっております。

4クラスですと250席前後、3クラスのシートで 368席前後(2クラスとかにすれば400席も可能)
の座席数となります。

いやはや、300人以上の乗客をお世話してくださる客室乗務員さん
パイロットさんには頭が上がりませんね。

A340 は4基のエンジンを持つ(4発ジェット)旅客機となります。
自分も数回のみ利用したことありますが、エンジン音がすごかったです。
2015年2月に撤退してしまいましたが、
ヴァージン・アトランティック航空が成田-ロンドン線にてA340-300にて
運行していましたよねえ、懐かしい。

こちらも型によって席数は異なりますが、
A340-300 ですと、通常250~290席前後
マックス400席以上作れる大きさとなっています。
こちらも世代交代で現役で頑張っている機がだいぶ少なくなっていますが
、ルフトハンザのA340-600は今でも北米路線を毎日就航中ですよ〜
自分もめちゃくちゃ乗りたいです。


A350ファミリーは、
A350-900
とA350-1000がありますが、
おニュー感がある機体ですよね。
世界各国のエアライン会社がこの機体を次々とオーダーしていることもあって
昨今ロンドンの空でも毎日多く見かける機会が増えています。

ロンドンー日本線でも
ブリティッシュ・エアウェイズが今年、一足お先に夏ダイヤで投入していました。
 JALもこの秋より(10月24日より)就航することになりましたよね〜

おニューのキラキラ感のオーラーが出ていますね。
新しい機種なんてと、最初は意地になっていた私ですが….乗り心地最高でした 笑

3クラスですと通常350~410席。ファーストクラスが入った4クラスですとやや少なくなりますが
、やはりこちらも300席超えの大型となります。


超大型(ジャンボなど)

大型に含める方もいらっしゃいますし
超大型とされる方もいらっしゃいますが、

ボーイング社の
B747シリーズ、エアバス社の
A380

シリーズが、(超)大型の代表格です。



ボーイング747 (B747) の名前は知らずとも
「ジャンボ」「ジャンボジェット(Jumbo Jet)」の愛称を
ご存知の方もいらっしゃるのでは? 4発エンジン持つ超かっこいい大型機です。

ブリティッシュ・エアウィエズのB747-400

B747シリーズは
-100型、-200型、-300型そして
400型、最終モデルの747-8型等ありますが、実は自分が好きな機種のトップがこのB747-400なのです。
1992~ 2019年3月まで運行していた一代目日本国政府専用機もこちらとなります。

1世代目の日本国政府専用機

JALでは2011年3月に、ANAでは2011年の1月(チャーター便3月)に退役となっています。

ブリティッシュ・アウェイズも当初は2023年に全てのB747-400型機を退役にする予定でしたが
、新型コロナの影響のため、2020年に惜しまれながら全機退役となりました。
(B747-400型機での予約をしていた自分は号泣)

最終モデルのB747-8型は、ルフトハンザ航空や大韓航空、中国国際航空等がまだ飛ばしてくれていますよ〜
 ちなみに

大韓航空のB747-8の座席構成一例
:
エコノミー314席/ ビジネスクラスが 48席/
ファーストクラス 6席 合計368席

ルフトハンザ4クラスの座席構成一例:
エコノミー244席/プレミアムエコノミー32席/
 ビジネスクラス80席/ファーストクラス 8席 合計364席

どちらも二階席はビジネスクラスです。乗りたいなあ。

お次は乗客数から見た場合で
、一番大きな旅客機であるエアバス社のA380
総2階建の航空機です。

正面からみたエミレーツのA380。


「超大型機」とも呼ばれている機種ですね。

ヒースロー空港に行けば
割と頻繁に飛んでくる航空機ですが、
2階席にも乗客が搭乗できるような搭乗橋の必要性や
この大きな航空機が離発着可能な地面強度の問題等もあって
実際にこの機種が運行できる滑走路は限定されてしまうんですよね。

あと、A380は後方乱気流のため後続機との間をB777と比べ2倍の間隔を開けなくてはならいなどの課題も出てくるので、運行可能な滑走路を持つ空港でも、運行していないこともあるわけです。

この航空機も新型コロナの影響を受けて退役を強いられてしまった航空会社もあります。
2019年に生産中止の決定をしております(もしかしたら再開するかもとの噂もありますが)。

A380を世界で一番多く保持している会社は、エミレーツ航空です。
ファーストクラスにシャワールームがあったりとで
Youtubeでも一昔前はよく紹介されていましたよね。

エミレーツのA380-800
4 クラスでは (ファースト/ビジネス/プレミアムエコノミー/エコノミー)  484 席
、3クラスですと489~517 席(型によりけり)の席が設けられているそうです。

すごいですよね。

2階席まであるスペースを利用して
一部の航空会社ではシャワールームは勿論のこと、
ダブルベッドまで備えたクラスも設けています。
例:エティハド航空のザ・レジデンス

私などがこのクラスに乗ったら何をどうしたら良いか分からず
粗相をしそうです。

ETIHAD A380 The Residenceで検索するとその豪華さが伺えます。

*こぼれ話
②
ボーイング社のドリームライナー(B787)の部品等を運ぶドリームリフターのご紹介をしましたが、エアバス社にもエアバス製航空機のパーツを輸送する
「エアバス ベルーガ/Airbus Beluga」の愛称で呼ばれている
特別貨物機A300-600ST (Super Transporter) が6機存在します。
こちらも「でっかい」ですよ!

2024年9月8日にヒースロー空港に来たベルーガ。
このような機会は今までになかったので空港近くは追っかけが数百人集まっていた。

いかがでしたでしょうか?

皆さんも次回飛行機に乗る際には
「お、中型機だ」「あら〜 大型機なのね今日は」などと
粋な会話が出来るような知識をご提供できたかと思います。

ちなみに、自分が乗っている飛行機の種類は
予約する時や
JL43、 NH212などの便名でも調べられますが、
一番シンプルなのは座席の前(ビジネスクラス以上では横の)にある
「この機の安全について」のリーフレットで確認する事です!

今回も情報が満載すぎてお腹いっぱいかと思いますが、
お読みいただき誠にありがとうございます。

参考:

https://en.wikipedia.org/wiki/Wake_turbulence_category
https://aircraft.airbus.com/en/aircraft/a330-advanced-to-boost-profitability/a330-300
https://www.airbus.com/en/who-we-are/company-history/commercial-aircraft-history/previous-generation-aircraft/a340-family/a340-200
https://www.boeing.com/

https://www.boeing.com/content/dam/boeing/boeingdotcom/commercial/airports/acaps/767.pdf

https://www.boeing.com/content/dam/boeing/boeingdotcom/company/about_bca/startup/pdf/historical/757_passenger.pdf
https://www.boeing.com/commercial/787#technical-specs

https://www.koreanair.com/contents/plan-your-travel/in-flight-experience/fleet/b747/8i-368/seat-map
https://www.jal.co.jp/jp/en/5931/seatmap/seatmap.html

https://www.ana.co.jp/en/gb/travel-information/seat-map/
https://www.lufthansa.com/gb/en/seat-maps-long-haul
https://www.britishairways.com/content/information/about-ba/fleet-facts
https://www.etihad.com/ja/fly-etihad/our-fleet/airbus-a380

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リエコ・大島・バークレー。英国サリー州在住。薬草、毒草、ワイン、ゴルゴ13 をこよなく愛する飛行機オタク。海外出張が重なっていた8年ほど前に突然機内でエンジン音に恋に落ち、そこからすっかり飛行機の虜の人生となる。 本業はメディカルハーバリスト、アロマセラピスト、リフレクソロジスト。ロンドンのセラピールーム及び癌ケアセンターにてのセラピスト活動、オンライン及び日本での講座活動の他、時々イングリッシュワイン応援& 執筆活動も行う。 著書に『メディカルハーブハンドブック』(説話社)『ハーブの薬箱』(文化出発局)。フレグランスジャーナル社にて2023年まで『ゴルゴ13とハーブカード』連載。インスタグラム:ハーブ&アロマ関連 @herbalhealinguk  航空機関連 @rieko.747  ワイン関連 @winevineyard  

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