航空機と自動車のミュージアム「ブルックランズ博物館」で遊ぼう!

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どんよりした冬の季節、どこか楽しく充実した時間を過ごせるところはないかな?とお探しの貴方へ、
コンコルドを見たい体験したい〜Brooklands Museum編 でもちらりとご紹介しました「ブルックランズ博物館 Brooklands Museum」のご紹介をしたいと思います。

ブルックランズ博物館 Brooklands Museum
住所:Brooklands Drive, Weybridge, Surrey KT13 0SL
最寄駅:Weybridge駅(London Waterloo 駅から電車で30分弱)。
駅からバスが出ています。
Weybridge駅から少し歩いたところにあるバス停から436番 Working行きに乗車し、Mercedes Benz Worldバス停にて降りて(約6分乗車)、徒歩数分。時間帯によってはBrooklands Museum前にも停まります。Weybridge駅からタクシーで7〜8分なので、電車との乗り継ぎが悪ければタクシー利用もおすすめ。
https://www.brooklandsmuseum.com

<世界最初のレーシングサーキット>

日本の方々には馴染み薄いかもしれませんが、ブルックランズといえば、イギリスのモータースポーツと航空発祥の地として知られています。

国会議員にもなったピーター・ジョン・ロック・キング氏(Peter John Locke King)の息子、ヒュー・F・ロック・キング氏(Hugh F. Locke King)は、イギリスが発展途上の自動車産業をヨーロッパとの競争の中で発展・繁栄させるためには、独自の自動車テストコースを持つ必要があると考え、自身が相続したこの土地にて1907年に世界初のレーシング・サーキットを建設しました。その後1939年まで、英国モーターレースの本拠地となった歴史があります。

カフェのお砂糖入れもサーキットを醸し出すデザインで可愛い

<航空機製造の歴史>

1909年にはトラック内に飛行場が建設されて、ブルックランズは「サーキット兼飛行場!」(これって今から考えるとすごい画期的ですよね)となりました。
非公式ではありますが、イギリス人として、そして自作の飛行機で「イギリスにて」初めて空を飛んだとされるアリオット・ヴァードン・ロー(Sir Edwin Alliott Verdon Roe)氏も、ブルックランズにて飛行されたと言われています。

コクピットにロー氏の姿が見られる

参考:https://www.brooklandsmuseum.com/explore/heritage-and-collection/brooklands-stories/tales-from-brooklands-a-v-roe

第一次世界大戦頃からイギリスにおける主要な航空機設計と製造の中心地となり、
1908年から1987年の間に約260種類、合計18,600機もの新しい航空機が製造されたという歴史があります。






<サーキット&製造から博物館へ>

このように「モータースポーツ」「航空機」の2足の草鞋?の歴史を持つブルックランズは、のちにサーキットの大部分が更地になるなど大きく様相を変えつつあった中、その歴史を保存しようとの働きが続けられました。

・1957年7月6日にブルックランズ・モーターコースのオープン50周年を記念して、軍需産業会社ヴィッカース・アームストロング社(Vickers-Armstrongs)が英国自動車レースクラブ(BARC)、ヴィンテージ・スポーツカークラブV(Vintage Sports-Car Club/VSCC)およびBRMCCなどと共同でブルックランズのゴールデン・ジュビリーを開催。1969年にはチャリティ団体主催で「ブルックランズ同窓会」が開催され、戦前にブルックランズに足を運んでいた多くの著名人を含むたくさんの観衆を集めました。こうした活動の結果、「ブルックランズ・ソサエティ Brooklands Society」が結成されることとなる。

・ブリティッシュ・エアロスペース社がブルックランズ・モーター・レーシング・サーキットの40エーカーを売却すると発表。それを受けて1984年、ブルックランズに博物館を設立する目的で、40エーカーのうち30エーカーについてガラハー社(Gallaher)が99年間のリース契約を結んだ。そして100メートルのコースが修復され、ネス湖から回収されたビッカース・ウェリントンVickers Wellington爆撃機「R」が引き渡されるなど、「博物館」としての改装、コレクションの入手などが進んでいきます。

・1987年にブルックランズ・ミュージアム・トラストが発足。1988年にテスト・ヒルが再オープンし、メンバーズ・ブリッジが再建され航空機のコレクションが増え続けるとともに、同年末にはブルックランズのブリティッシュ・エアロスペース工場が最終的に閉鎖される。


そして
1989年4月にケント公マイケル王子がロイヤル・パトロンとなり、1991年についに博物館として正式に一般公開されることになりました。

こちらのウェブサイトでは昔のサーキットの風景や航空機がどのように博物館に運ばれてきたかなど、ブルックランズの歴史的動画がたくさん紹介されています。ご興味あられる方は是非チェックしてみてくださいね。

<博物館として>

実物のコンコルドG-BBDG「デルタ・ゴルフ Delta Golf」は、2003年に博物館に寄贈されました。サリー大学のスタッフや学生を含む100人以上の博物館ボランティア・チームによって大規模な修復がされた後、2006年より一般公開されています。

また博物館にはコンコルドのシュミレーターもあります。1974年に300万ポンド(現在の価格で3,000万ポンド)をかけて建設され、1976年3月にブリティッシュ・エアウェイズの乗務員の訓練用として運用が開始され、コンコルドの全乗務員の訓練に使用されたという、歴史あるシュミレーターでもあります。

コンコルドの元パイロットからコンコルドの操縦方法を教わることのできる、コンコルド・シュミュレーター&体験ツアーなど非常に貴重な体験等については、’コンコルドを見たい体験したい〜Brooklands Museum編’、あるいはブルックランズ博物館のサイトを参考ください。

<見どころは?>

大きく分けて3つの見どころがあります。

1つ目はモータースポーツ・ゾーン:入り口近くにあるMOTORING VILLAGEをはじめ、モータースポーツカー関連の展示物です。ブルックランズ・トラックを走った最初の車をはじめ、1926年と1927年にブルックランズで開催された初のイギリスGPレースの歴史などを楽しめるゾーン。
全て建物内に展示されていますので雨の日でも楽しめます(建物によっては暖房の効きはイマイチなので防寒着にて望むのをお勧めします)。レーストラックは外になりますが、是非見てみてくださいね!McLaren MP4-21 F1 Show Car のシュミレーターもありますよ。(人気なので少し並ぶ可能性はありますが)

PEUGEOT TYPE 26 エレガントなデザインですね。

この日うっかり写真を撮ること忘れてしまいましたが、カフェがある建物にある1907年に建てられた「クラブハウス」には婦人閲覧室やコース係事務室など、当時の面影を残す部屋が展示されており、こちらも時間があったら是非覗いてみてくださいね。

1920年代のBP(ガスステーション)これはレプリカ?昔の雰囲気が伝わりますね。

2つ目は航空機&製造関連ゾーン:こちらは建物内と外との展示スペースに分かれています。

建物内にはルイ・ブレリオが製造した有名な単葉機シリーズで、英仏海峡を飛行した最初の飛行機として永続的な名声を得たブレリオ・モデルXIのレプリカや、最初の大西洋横断飛行とオーストラリアと南アフリカへの長距離飛行を再現したヴィッカース・ヴィミーのレプリカから、Hawk Mk 50戦闘機、また製造過程関連の展示物など所狭しと展示されています。一部の機体はコックピット部に入ることも可能ですよ。

Blériot XI レプリカ

Hawk Mk 50戦闘機

屋外エリアでは、ブルックランズにて設計&製造され「空の女王」と呼ばれて愛された究極の英国旅客機「VC10(Vickers 1103 VC10)」をはじめ、世界初のターボプロップ旅客機である「ヴィッカース・ヴィスカウント(Vickers Viscount)」、そして「コンコルドG-BBDG」等の航空機が展示されています。
こちらも多くの機種に自由に入ることができるようになっています(コンコルドは時間制&別途費用が必要です)。

Viscount

皆さーん勝手に機器を触るのはやめましょう(はい、それは私です。すいません)

VC10(Vickers 1103 VC10)’SULTAN OF OMAN’

オマーンのスルタン、カブース・ビン・サイード・アル・サイード国王陛下が、引退後にブルックランズ博物館に寄贈した機体。寝室が作られていたりと豪華な内装になっています。

フルフラット・ベッド

またAEC Sparshatts Airport Busやクルーバスなど、航空機関連の車両もところどころに展示されているのでお見逃しなく。

Airport Bus

見どころの3つ目は、ロンドン・バス・ミュージアム・ゾーン:
2011年オープンのミュージアムで、
全てロンドン発祥の約35台の車両(バスとコーチ)が展示されています。
初期の馬が使われていたバスから、近代のバスまで時系列に並べられています。
制服から券売機、勲章、標識などロンドン歴が長い方にとっては「懐かしいねぇ」と目尻が下がってしまう品々もあって楽しいですよ!


当時のバス乗車券

<イベントに参加しよう

>

ブルックランズ博物館ではコンコルド・エクスペリエンスを始め、毎年元旦にはクラシックカーのイベントが行われたり、子供から大人まで(マニアまで)楽しめる数多くのイベントが開催されていますので、気になるイベントをチェックしてみてくださいね。

2025年4月13日には新旧のバスやコーチが約100台ほどが集まるイベント
https://www.brooklandsmuseum.com/whats-on/london-bus-museum-spring-gathering-2023

そしてコンコルド好きをキュンとさせるイベントも。2025年5月31日には、元コンコルド・パイロットから一日じっくりコンコルドのことを学べるランチ付きのCONCORDE CELEBRATION DAYも開催されます。

2025年のイベント・カレンダーはこちら:
https://www.brooklandsmuseum.com/about/latest-news/new-2025-events-programme

2024年12月24日〜26日は閉館となります。





<おまけ編>

ブルックランズ博物館のすぐお隣には「Mercedes-Benz World メルセデスベンツ・ワールド」があります。
シュミレーターや試乗コースも併設されており、大人から子供まで楽しめてしまう車好きな方にはとっても魅力的な施設です。

さていかがでしたでしょうか?

年末年始の遠足に、またロンドンに旅行で来られる方で航空機や車(モータースポーツ)にご興味がある皆さんは、是非足を伸ばしてみてくださいね。

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リエコ・大島・バークレー。英国サリー州在住。薬草、毒草、ワイン、ゴルゴ13 をこよなく愛する飛行機オタク。海外出張が重なっていた8年ほど前に突然機内でエンジン音に恋に落ち、そこからすっかり飛行機の虜の人生となる。 本業はメディカルハーバリスト、アロマセラピスト、リフレクソロジスト。ロンドンのセラピールーム及び癌ケアセンターにてのセラピスト活動、オンライン及び日本での講座活動の他、時々イングリッシュワイン応援& 執筆活動も行う。 著書に『メディカルハーブハンドブック』(説話社)『ハーブの薬箱』(文化出発局)。フレグランスジャーナル社にて2023年まで『ゴルゴ13とハーブカード』連載。インスタグラム:ハーブ&アロマ関連 @herbalhealinguk  航空機関連 @rieko.747  ワイン関連 @winevineyard  

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