第55話 Kendal mint cake ~ケンダルミントケーキ~

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okashi


<Kendal mint cakeケンダルミントケーキ>

その名も湖水地方はkendalという町のミント味のお菓子「ケンダルミントケーキ」。ただし「ミント味のケーキ」と聞いて、緑色のスポンジやムースなどを想像すると見事に裏切られます。ケーキと名はつくものの、ジャンルでいくとキャンディーやチョコレートのようにぽいっと口に放り込む部類のお菓子。パッケージや手にした感じはそう、板チョコの様。中身は~日本の昔ながらのお菓子で板状の「しょうが糖」や「はっか糖」をご存知でしょうか?あれにそっくりです。その材料はお砂糖とグルコース、ペパーミントオイルにお水のみ。要はお砂糖のかたまりというか、ミント味の砂糖菓子です。板チョコ状に溝が入っているのでパキンと手で折り口に入れると、「う~ん、甘いけれどなんだか元気になれる」、そんな味。疲れている時など、コーヒーとこれひとかけで随分とパワーが沸いてくる気がします。それもそのはず、このケンダルミントケーキ、Ernest Shackletonによる1914年~の南極横断探検や1953年のEdmund Hillary によるエベレスト登頂の際も大事なエネルギー源として携行されていたというお菓子なのですから。そんな理由からイギリスでは、今でも特にハイカーや登山者たちに人気があります。

湖水地方名物、元気のでるあま~いお菓子☆

湖水地方名物、元気のでるあま~いお菓子☆

このミントケーキ、あるキャンディー職人の失敗から生まれたと言われています。透明で固いGlacier mintsというミントキャンディーを作ろうとしていた彼、飴を加熱する際にいつもより混ぜすぎてしまったせいで砂糖が結晶化し白濁してしまいました。仕方がないので鍋から流して翌朝まで放っておいたところ、脆く口の中でほどけるなんとも美味しいミントケーキになっていた~というのです。諸説ありますが、ケンダルのJoseph Wiper氏の店舗で1869年に売り出されたのが最初と言われています。 現在ケンダルの町でこのミントケーキを作っているのは、Wiper氏のミントケーキを引き継ぐRomney’s 、1913年創業のWilson’s、1880年創業ともっとも古いQuiggin’sの3軒。特に有名なのは先に述べたエベレスト登頂隊にミントケーキを供給した Romney’sですが、ここでは真っ白なホワイト、茶色の砂糖で作るブラウンバージョン、ホワイトをチョコレートコーティングしたものと3種揃います。チョコレートコーティングバージョンは甘いのにさらにチョコレート?と思われるかもしれませんが、がっつり甘いところにチョコレートのほろ苦さが加わり、かえって食べやすくなっているので注意が必要。もう一口と、登山もしていないのについついエネルギーばかり補給してしまうことになります(^^;)。

チョココーティング版はフィリング9割のミントチョコのよう(笑)

チョココーティング版はフィリング9割のミントチョコのよう(笑)

イギリス人は結構なミント好き。食後にもよくミントチョコレートやミントのタブレットなどが出てきます。日本人にとってはどうも歯磨き粉のイメージが強いらしく、苦手な人も多いよう。でもキャンディーなどにミントが使われはじめた頃は、ミントオイルは胃のもたれ、吐き気や胃痙攣などに効く薬として、またほかの薬を飲みやすくするための矯味剤などとして利用するものだったということを考えると、食後に摂るのは理にかなっていると言えます。

ケンダルミントケーキはさまざまなサイズが売られていますが、大きなサイズを買ったら1年は楽しめそう^^;

ケンダルミントケーキはさまざまなサイズが売られていますが、大きなサイズを買ったら1年は楽しめそう^^;

ウォーキングをこよなく愛するイギリス人。自然の中ひたすら歩き、疲れたらケンダルミントケーキでリフレッシュ&パワー補給。子供の頃、山に登る時、リュックに氷砂糖を入れてもらったけれど、そんなイメージ。でも氷砂糖の代わりにリュックにケンダルミントケーキが入っているのなら、へたれな私ももう少し頑張って歩こうかな~なんて思っちゃうかも(笑)

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/

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