第56話 Minty sweets ~ミント菓子~

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okashi


<Minty sweets ミント菓子>

今回は前話のケンダルミントケーキで思い出したいくつかのミント系お菓子をご紹介☆
まずはミントといえばチョコレートということで、ミントチョコの代表格、「After eight(アフターエイト)」から。今でこそイギリスではお店や家庭で、食後のコーヒーに添えてミントチョコレートがよく登場しますが、この「ディナーの後にはミントチョコ」という習慣を作り出したのがこのアフターエイトというチョコレート。薄いダークなチョコレートの間に挟まるこれまた薄いミントのフォンダン。これが1枚1枚黒い紙のスリーブに入りグリーンの箱に品よく並んでいるという、ちょっとエレガントなミントチョコ。そのスリーブやパッケージに描かれたゴールドの時計の針は8時をちょっと過ぎた時間を指しています。

深い緑にブラックとゴールドのパッケージが大人な雰囲気です☆

深い緑にブラックとゴールドのパッケージが大人な雰囲気です☆

始まりはヨークにあったRowntree というお菓子メーカー。そこに15歳から働くショコラティエ Brian Sollitt 氏が生みの親。あの薄さのフォンダンをチョコレートから溶け出さないようにサンドする技術を彼が生み出し、アフターエイトは1962年世に出ました。時は60年代、華やかなディナーパーティーが盛んな時代、このエレガントなミントチョコは「食後のお口直し的チョコレート」という新しいジャンルを確立し、イギリスならず世界50カ国に輸出されるまでに成長します。Brian Sollitt 氏は2007年にRowntreeをリタイアするまで、Yorkieや Lion Bar、Matchmakerといったイギリス人なら誰もが馴染みのあるチョコレート菓子の開発にもかかわり、その後も2013年に亡くなるまでショコラティエとしての技術を生かして様々なチャリティー活動を行ってきたまるでリアルWilly Wonker「(チャーリーとチョコレート工場」の工場長)。現在アフターエイトは大手ネスレの元から販売されており日本でも手に入りやすくなっていますので、今宵のディナーの後にでも1枚楽しんでみてはいかがでしょう。デザートの後なのにさらにまた?と思いながらもつい手を伸ばしてしまう理由が分かっていただけるかもしれません。
ではもう1品今度は数あるイギリスのミントキャンディーの中から「Uncle Joe’s mint ball」をご紹介。

ジョーおじさんが笑顔ですすめるミントボールは一体どんなお味?

ジョーおじさんが笑顔ですすめるミントボールは一体どんなお味?

真っ赤なベースカラー、にこやかに微笑むシルクハットのおじさんという、一度見たら忘れられないこのパッケージ。レトロ感満載ですがそれも納得、このミントキャンディーが生まれたのは1898年。今から100年以上も前のこと。ランカシャーはWiganという町の市場で果物などを売る小さなストールを営むWilliam Santus氏 の妻Ellenが店の片隅に手作りのキャンディーを置いたのが始まりでした。小さな家のキッチンで作るそのミントキャンディーは瞬く間に評判となり、ウイリアムとエレンはスイーツショップをオープンさせます。それが後のWilliam Santus Co Ltd となり現在は彼の曾甥孫にあたるJoun Winnard 氏がそのあとを継いでいます。今も当時の味をそのまま伝えるべく材料は砂糖にミントオイル、クリームオブタータの3つのみ、変わらず手作りされています。ミントキャンディーというと真っ白のものや、イギリスだとHumbugのように黒と白のストライプのものが目立つ中、お砂糖の色そのままの茶色をした優しい甘さのミントキャンディーです。さて長い時を超えて愛され続けてきたこのアンクルジョーズミントボールが、2011年になんと製造20億個目を迎えました。現在のペースで作り続ければ、2041年には30億個目を達成できるとか。これからも美味しいミントキャンディーを作り続けてくれそうですね(^^)。
では最後に家庭で作るミントのお菓子 「peppermint cream」をご紹介して今日は筆をおこうと思います。

何色にしてもいいのですが、やっぱりペパーミントグリーが定番です☆

何色にしてもいいのですが、やっぱりペパーミントグリーンが定番です☆

ペパーミントクリームは特にクリスマスシーズンになるとよく目にするお菓子。イギリスではクリスマスに友人やお世話になった人へビスケットやジャムなど手作りのちょっとしたプレゼントを贈ることがあります。そんなときに登場するのがこれ。粉砂糖にペパーミントエッセンス、そして卵白(またはコンデンスミルク)を加えてペースト状にし、薄く延ばして型で抜くという作り方で、表面が固くなるまで乾かしたら出来あがり~実に簡単なものです。グリーンに色をつけたり、チョコレートでコーティングしたりすればよりプレゼントらしくなります。火も使わず練るだけなので子供たちからおじいちゃんやおばあちゃんへのプレゼントに~なんていうときにも人気。口に入れるとミントの爽やかさだけ残してすぐに溶けて消えてしまうはかなさがまた、クリスマスシーズンの雪を思い起こさせる、ノスタルジー溢れるお菓子です。
イギリスの数あるミント菓子の中からいくつか取り上げてみましたが 、ケンダルミントケーキはじめどれも懐かしい雰囲気を漂わせています。ミントというより薄荷菓子と言いたいくらい。ミントボールを舐めていた子供がおじいちゃんになっても、ミントボールはミントボールのまま。目を閉じてそのキャンディーを口に入れている間だけは子供の頃に帰れるような、ミントにはそんな魔法がありそうです。

 

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/

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