
Legare レガーレ
時折、無性に行きたくなる場所ってありませんか? 私にとっては、このテムズ川の裏筋にあるShad Thamesがそうです。裏路地然とした風情や、ヴィクトリア朝の建物と建物を結ぶ小さなスカイ・ブリッジ。歩いていると何となく気持ちが高揚するんです。
かつてこの一帯は物流の中心で、道路を挟んで向かい合う倉庫を高い位置でも鉄のブリッジでつなぎ、無駄を省いていたのですって。すごい知恵ですね! 今は住人たちの共用の通路としても機能しているようです。
石畳と小さな鉄橋、頭上に太陽が来たときしか日が差さない倉庫通り。独特の陰影・・・そうか、ヴィクトリア朝の面影をよく伝えているからかもしれません。しっとりとした佇まいが心に触れます。

本日ご紹介するのは、このレストランです^^ 倉庫をリノベーションした建物で、店内シンプルで温かみのある空間に。

建物と建物をつなぐ鉄橋。風情あるなぁ。上でも行き来できるなんて、それにしても賢い。右はレストランのモダンな内装。
このShad Thamesに、2019年秋に誕生している「Legareレガーレ」という名のイタリアン。周辺レストランの中でも、編集長のイチオシ^^ 店名のレガーレって、イタリア語で「結ぶ・つなぐ」という意味なのですって。なんだかこの通りのスカイ・ブリッジを象徴しているような命名ですよね。
「近所にあったら毎週通いたくなるようなイタリアン」をコンセプトに立ち上がりました。行ってみると、まさにそんな感じ! 毎日手打ちするフレッシュ・パスタ、季節ごとに変わるサラダやメイン。イタリア料理をベースにしながら、英国の旬素材を使ってロンドンらしいコンテンポラリーな香りのするメニューを作ります。

右はホワイト・ピーチとインゲン豆、ヘーゼルナッツ入りのヴィネグレット・ソース。左はイタリアらしいサルティンボッカ。豚肉です。

ズッキーニのフライ! 香り高いリコッタとバジルで。美味しかったなぁ。
調べてみると、共同オーナーの一人は、あのロンドンのモダン・イタリアンの名店「Trullo」でシニア・スーシェフを務めていたというマット・ブレッドモアさん。どおりで! これはもう、信頼しかないですね。イタリアンでありながら、地中海料理の軽やかさがその身上であります。
もう一人の共同オーナーでマネージャーのジェイ・パテルさんは、ケニア生まれ。グラフィック・デザイナーとしてファッション業界で働いた後、飲食に転身してロンドンの名店 BarrafinaやKoyaなどでマネージャーを務め、今回の立ち上げとなりました。強力なタッグです^^
ワイン・リストは小規模なイタリアの生産者によるナチュラル・ワインやオーガニック・ワインが充実。倫理的な取り組みをしている生産者を重視しているそうです。

トマトのフレッシュ・スパゲッティ。ストラッチャテッラをのせて。本当にセンス良いお味。Trulloっぽい。

タラだったと思う・・^^; そら豆と。シンプルで滋味深い一品。

デザートには名物のピスタチオ・カンノーロを!
タワー・ブリッジから目と鼻の先ですし、ロンドン・ブリッジ駅からも徒歩で10分強。バトラーズ・ワーフやテムズ川沿いの長い散歩を楽しんで来られた旅行者の皆さんに、ぜひぜひ来ていただきたいお店なのです。
ちなみにお店が入っているビルは「Cardamom Building」という名前。このバトラーズ・ワーフ一帯はその昔、世界中から運ばれてきたカルダモンやシナモン、コショウなどのスパイスや、紅茶、コーヒー、砂糖などを保管する倉庫だったのですね。このビルはカルダモンを保管していたことに由来しているみたい。
周辺にはジンジャー、コリアンダーなど可愛らしいスパイスの名前が付けられた兄弟ビルがいっぱい。なんとも歴史深いエリアではありませんか。