フィッシュ&チップス@Toff’s・Muswell Hill・N10【新連載:ロンドンB級グルメ】

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ハジメマシテ。ロンドン郊外出身のイギリス人、コールです。

僕は20代の頃、JETプログラムを通して日本で働いて以来、ずっと日本とは縁がある。昨年から今年にかけては、京都に住む旧友を訪ねて1年半ほど住んでみて、また新たな日本の魅力を発見した。そこでの体験を紹介しているので、興味ある人はこちらで読んでみて欲しい。

今回から、これまた古い友人である江國まゆからの依頼で、ロンドンをはじめとしたイギリスの「B級グルメ」について書いてみようと思う。僕は日本語を話すし簡単な文章なら読み書きもできるけれど、残念ながらこの文章は英語で書いたものをまゆさんが翻訳しているので、そこのところはよろしく。

第一回目はイギリスが誇るB級グルメの横綱、フィッシュ&チップスについて。北ロンドンのマズウェル・ヒルにある老舗フィッシュ・レストラン、Toff’sでの経験を綴りたい。訪れたのはロックダウン前夜のことだ。

フィッシュ&チップス、またの名を「Chippy / チッピー」。庶民のchip-shopで食べるのによもや「予約」が必要な時代になるとは・・・(と言ってもここはれっきとしたフィッシュ・レストランだが)。本当に今僕たちはコロナに影響された普通じゃない時期を過ごしていると思う。

僕自身は、フィッシュ&チップスでいい経験をした記憶はほとんどない。魚はパサパサで風味もなく、衣はベトベト。そこへさらに油っこいチップスが付くときた。そんな僕らがToff’sの敷居をまたいだこと自体、この店に期待がなかったといえば嘘になるだろう。

受賞歴のあるチッピーなのである

Toff’sは1968年以来、マズウェル・ヒルで親しまれているフィッシュ&チップス・レストランだ。イギリスでフィッシュ&チップスと言えば、すぐにテイクアウェイの方を思い起こす人が多いのだが、ここではカウンターの向こうに居心地の良いダイニング・エリアが待っていた。

テーブルに着いてメニューを見た途端、目に飛び込んできたのは、1ポンドを追加することで全ての魚を揚げる代わりにグリルしてもらえるってことだった。僕たちはハドックとカレイを選び、次にこう思った・・・どっちがグリルに適しているか? 店員に聞いてみると、躊躇なくこうアドバイスしてくれた。「カレイは常にグリル向きですよ。だからフライにするのはハドックですね」(The plaice’s place was under the grill which meant the deep fat fryer for the haddock.)

オーナーのルーツはギリシャにあるようだ。フィッシュ・ケーキなどchip-shopのお気に入りスターターと並んで、ギリシャ風サラダ、タラモサラタ、イカフライといった地中海料理がメニューにあったことからも明白だ。でも僕たちは伝統にのっとって・・・ボリュームたっぷりのマッシーピーをサイドに注文した。

これは2020年11月のロックダウン直前の最後の外食であるゆえ、ワインをいただくことは当然であると考え、ハウス・ワインを注文。スペインのFinca Cerradaという白は魚によく合う。料理が来るのに少し時間がかかると言われたにもかかわらず、実際はさほど待たされることはなかった。そしてこちらが、ロックダウン前の外食ラストサパー。

グリルしたカレイは期待を上回る美味しさだった!  魚はふわっと軽く仕上がり、フレーク状の食感がいい。ハドックは油っぽさを感じることなくジューシーさもあり、問題なく完食した。

イギリスの伝統では、フィッシュ&チップスの魚の皮はつけたまま揚げることになっている。だが、実際に食べている人はいるのだろうか? 皮がついていることで揚げる過程で切り身がバラバラにならずに済むという利点があるようだが、実際はサクサクとした食感からは程遠い・・・でも伝統に物申すことはできないので、僕は神妙に口を閉ざして皮を皿に残すことにした。

一方、チップスは文句なくフィッシュ・レストランのベストとも言える仕上がりだった。Toff’sのウェブサイトでは、ピーナッツ油が毎日交換されると書かれているが、魚屋特有の味がわずかに残っていたのは致し方ないのだろう。

じっさい・・・イギリスの伝統食に関して僕自身はさほど思い入れがある訳ではなく・・・個人的にはベルギー式のフライドポテトに軍配があがると考えている。秘密は明らかにポテトの細さだが(厚さ1cm未満)、カラリと仕上げるために最も重要なのは。2度揚げする調理法である。最初は低温で揚げ、冷ましてからサーブする直前にもう一度、高温で揚げる。そうすると中がソフトでジューシーなまま、外がカリカリの黄金色のチップスになるのだ。

ボリュームもしっかりで満足でき、サービスもフレンドリーだった。ロックダウン中は持ち帰りのみのサービスになるようだが、それでもロンドンの食の歴史に触れるために、丘を上って訪れる価値は十分にあると思う。

Toff’s Fish & Chips
38 Muswell Hill Broadway, London N10 3RT

英語のオリジナル・ポストはこちら:
https://not-just-sushi.co.uk/wp/toffs-fish-and-chips/

コールの京都 V-log はこちら:
https://www.youtube.com/watch?v=LcageSPuD2s&ab_channel=ColeProsser

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About Author

Cole Prosser

ロンドン郊外出身のイギリス人。JETプログラムで日本へ行って以来の日本通。ブライトン経由、ロンドンにて長年に渡ってITキャリアを積む。現在は動画制作などの分野で新キャリアを構築中。日本語はかなりのレベル。趣味はバリトンのヴォーカルを生かしブルガリア音楽グループで歌うこと。

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1件のコメント

  1. とても、おいしそうです!
    The golden crispy outer yet soft inner,,,, 私も、食べたくなりました♪
    連載、楽しみにしていまーす (^-^)

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