The Ivy Café St John’s Wood アイビー・カフェ セント・ジョンズ・ウッド店
コベント・ガーデンにあるThe Ivyと言えば、劇場街のアイコン的な存在として1917年から存在している老舗中の老舗。当初からローレンス・オリヴィエやヴィヴィアン・リーをはじめ一流演劇人が出入りし、その後は1990年に現在のロンドンのレストラン・シーンをその名なくして語れないCapriceグループが購入・大改装し、クラシックな装いの中に著名アーティストに依頼制作したアート・デコレーションを多用するユニークなスタイルで一大センセーションを巻き起こしました。一時期の勢いはないものの、今でもセレブ御用達レストランとしての風格を保ち続け、今年はなんと創業100年を迎えるという節目の年。
そのアイビーの姉妹ブランドとして近年爆発的に増えているのが、カジュアル路線のThe Ivy Grills & Brasseries、そしてThe Ivy Caféです。アイビー・カフェの一号店は数年前にオープンしたマリルボーン店だったと記憶しているのですが、その後、ウィンブルドンやリッチモンドにも次々とオープンし、ついに超高級住宅街にもかかわらずめぼしいレストランが少なかったSt John’s Woodに昨年オープンしました。
セント・ジョンズ・ウッドのハイ・ストリートに佇むそのレストランは、ブランド・コンセプトに忠実なパリの豪華ブラッセリー風♪ とにかくCaprice Holdingsが手がけるレストランは内装が美しすぎていつも脱帽なのですが、このゴージャス感はやはりご近所たちにとってもすぐさまお気に入りとなったらしく、平日のランチタイムから満席御礼の大盛況となっているようです。
こういう中心部以外のヴィレッジのレストランで、月曜日の昼から満席になる店ってなかなかないと思うのですが、先日こちらでランチを食べてその人気の秘密が分かりました。お料理が美味しいのです。
メニューは一見したところステーキやバーガー、ドーバー・ソールにチキン・ミラネーゼとヨーロピアン・ブラッセリーの古典が多いのですが、目をよぉく凝らしてみると、大英帝国時代の名残り、あるいは現代のコスモポリタンなロンドン風と言っても過言ではないインターナショナルなツイストがちらほら。まさにウェブサイトに謳われている通り「Something for everyone」という感じで、あらゆるテイストの人に合ったメニューが用意されているようです。
例えばスタンダードとも思われた若鶏半羽のグリルは塩味で食べるのかと思いきや、インド風スパイスでマリネ・味付けされた柔らかジューシーなチキンに極上のマッシュルーム・ソースとクリーミーなマッシュ・ポテトを添えていただく一品。ボリューミーだけど、食べ終わるまでフォークが止まらない美味しさでした。また野菜好きな皆さんにも朗報。古典ブラッセリーだとサラダしか選択肢がないところが多いですが、ここはベジタリアン用の火を通したメイン・ディッシュもいくつかあって頼もしく、そして美味しいのでした ^^ ロースト・ラムは言わずもがなの美味しさ。付け合わせにスパイシーなナスとレーズンが添えられ、ハリッサ・ソースでいただく北アフリカ風の仕上がりです。
デザートに頼んだパンナコッタも滑らかで美味しかったのですが、エスプレッソ・ソースにトロミがなく、これなら「パンナコッタ・アフォガート風」と銘打って深めの器に盛りつけテーブルでエスプレッソを注ぐスタイルにしたほうが、より効果的だったのでは?と勝手に思ってしましました ^^;
ともあれ、人気定番ブラッセリーとしてこれから定着していくこと間違いなしのアイビー・カフェ。他のブランチも機会あれば訪れてみたいと思ったランチでした♪