Gymkhana ジムカーナ
2008年、マリルボーンにスタイリッシュなインド料理店「Trishna」を弱冠24歳で立ち上げてロンドンのインド料理界に斬り込んでいったシェフのカラム・ セティさんとパートナーたちによる2軒目。Trishna は当時、庶民派カジュアル店とマハラジャ的な高級店で二極化していたロンドンのインド料理界に、「敷居を少し低くした現代的で洗練されたインド料理店」という位置づけでクールな中間層にアピールしたんですね。
庶民派スタイリッシュのDishoomの一号店がオープンしたのが2010年のことなので、それよりも早くニッチ・マーケットに乗り込んでいったことになります。ただし、お値段的にはDishoomのほうがリーズナブル。Trishnaは若干お高めです。このトリシュナは2012年にミシュラン一つ星を獲得、翌年にそのコンセプトを進化させた姉妹店「Gymkhana」が生まれたのです。
メイフェアの一画に店を構えるジムカーナは、トリシュナよりもさらに「伝統の延長線上にある」ことの大切さを熟知した味で勝負。インテリアは懐古趣味+クール・カジュアルを意識した当世風のアプローチが大受けし、最初はレストラン業界の食通たちの間で大きな話題になり、オープン当初はメディアでも大きく取り上げられました。そして、半年後には早くもミシュラン一つ星を獲得。それと時を同じくして、なんと2014年にはレストラン業界のプロたちが選ぶレストラン・アワードで、英国一のレストランに選ばれたのです(!)。
上質のスパイスを駆使して新しい味に挑戦しつつ、あくまで古きに学ぶという姿勢から生まれる料理はクリーンで主張のある味を身上としているようで、ともすれば退屈になりがちなスパイスを多用する料理にメリハリを与えて飽きさせません。
アラカルトはスターターが10ポンド超、メインは15〜40ポンド、 カレー類が20ポンドを超えるので決して安い店ではないですが、さまざまな価格帯を用意していて、たいていシェアされると思うので、選び方によっては意外とリーズナブルになりそう。この日はランチ2コース25ポンドを選んだら、あまりに充実し過ぎていて大満足のランチとなったので、その模様をお伝えしましょう♪ コース内容は 2名分です。
ランチ・セットの中にはシグニチャーの一つでもあるロブスターをダック・エッグのソースでいただく「Duck Egg Bhurji, Lobster」が入っていて、迷わずそちらをチョイス。この料理には層状になっているパラタも付いてくるのも素晴らしく、まろやかなソースでいただくぷりぷりロブスターを引き立てます☆ もう一つのスターターには上の写真に写っているOothappam/ウッタパムを。ウッタパムってストリート・スナックだと思うのですが、ここのはもちろんとても洗練されたお味。やはりメリハリのあるスパイスとソースの味が決め手。
メインには子ヤギのキーマとビリヤーニ、ワイルドマッシュルームのピラウライスを。メインにはナンまたはバスマチ・ライス、2種のサイド・カレーもついてくるので、ものすごい量になります。冒頭の写真にある3種の自家製パパダムも入れて、これで一人25ポンド。インド料理は安いところが多いので25ポンド(飲み物とサービス料を入れて合計30ポンド超)を高いとみるか安いとみるか・・当店に限っていえば満足度が半端ないので、私は相当リーズナブルだと思いました。お味はどうだったか? ミシュラン一つ星の力量はあると思います ^^
ジムカーナ・・・人気の秘密が分かった気がします。美味しい現代風インド料理で気分をリフレッシュしたいときに、ぜひ。