Big Jo ビッグ・ジョー
オーガニック、無農薬栽培、自然農法、バイオダイナミック、慣行農法・・・色々な農業への取り組み方がありますが、人にも地球にも優しく、本当の意味で未来へと繋がっていく再生可能な農業の方法とは、一体どんなものなのでしょうか?
20年以上に渡って食業界で働いてきた男性2人が、2014年に志を持って自分たちのレストランを立ち上げたとき、真っ先に手をつけたのが食のルーツを探ることでした。人間の健康にとって、そして産業全体、ひいては地球環境にとって理想的な食供給のあり方を探ることです。そして農作物や畜産、ワイナリーなど、最も賢く未来へと続いていく方法を実践している小規模生産者を探り当て、訪ねて行きました。
特に2017年、フランス南西部ガスコーニュへの旅で出会った小麦農家が作る小麦は、彼らにとって衝撃であり、理想的なものでした。土地を農業機械で耕して健康な土を失う代わりに、自然との協働で適切な植物を植えて微生物の働きで土を活性化し、健康な牛たちに歩かせ肥沃な土地を取り戻し、その健康な土壌に農作物を植える。すると農作物は土地から十分な栄養素を受け取ることができるので元気な小麦に育ちます。肥料は要りません。これでオーガニックよりも力強く自然に近い作物が出来上がり、それを摂取することで人は元気になる。真の意味で再生可能な農業とは、こういった試みにありそうですね。(再生型農業についての説明はこちらの記事がいいなと思いました^^)
このオーナー・デュオのお二人、先見の明は生産者探しだけでなくロケーション探しにも現れ、面白い手法をとっています。すでに注目されている場所ではなく、あまり人の目が集まっていない場所に店舗を出すことによって賃貸料を抑え、そのエリアに新風を取り入れるという役割をこれまでにも行ってきました。ニューイントンの外れにあるPrimeurや、ホロウェイの外れにあるWestern Laundryといった彼らのレストランは最たる例だと思います。
そしてここ、Big Joも例外ではありません。ホロウェイ・ロードまですぐという公営住宅が並ぶ庶民的なエリアにこの秋オープン! 本当は春のオープンだったのですが、コロナウイルスの影響で秋になったそうです。 私は自宅から歩いていける距離にあるため、オープンして以来何度も通っているのですが、サワードゥ・ブレッドの滋味もペイストリー類のサクサクもどちらも捨て難く、結局毎回どちらも試してみることになります^^
コーヒーは淹れる直前に豆を挽くほうが栄養価でも香りでも勝るように、碾きたての新鮮な小麦粉で作るパンも同様に優れているそうです。ゆえに・・・Big Joでは製粉所まで併設してしまいました! 先行して2018年にオープンしている同じコンセプトのベーカリー・レストラン、Joleneでも使っている小麦粉です^^
軽く食事ができる居酒屋レストランとしても機能中。肉や魚も含め、食材はすべて前述したような経緯で入手しているクオリティ重視の自然派であること、素晴らしく情熱のあるシェフを揃えていることなどから、安心していただけるクオリティです^^
ロックダウン中の現在は持ち帰りに対応していますが、テーブル・サービスが再開した場合、ベーカリー・カフェではあるのですが16:00-18:00はカフェとして着席入店ができなくなるので(16:00を過ぎても、それ以前に入店している場合は席にいることが可能)気をつけてくださいね。また今のところ遅い時間になるとめぼしいパンやケーキはほとんどなくなってしまいます^^; ここを目指して来られる方は、早めの時間に到着されることをおすすめします!
オーナー・デュオのお二人が、なぜ現在のようなレストラン運営に至ったのか、その経緯についてはこのページに詳しく記されているので、ご興味ある方はぜひ。Big Joを訪れた時の動画はこちら♪
今、化学肥料や農薬、食品添加物やホルモン剤投与、遺伝子組み換えの問題など食をめぐる問題は山積みですけれども、小売店や飲食店が、こういった自然に還っていく優れた農法を営む農家を積極的に助け、消費者もそれをサポートしていくことで、より健康的なライフスタイルに簡単に移行できるのではないでしょうか。
食のサイクルは生産者から始まりますが、消費者の意向なしに美しい輪を形作ることはできないでしょう。大人が気をつけて子どもたちにより健康な食生活をさせると、健康でアレルギーなどのない大人に育つことに繋がりそうです。食が健康の基礎を作る。当たり前ですけど^^; だから私たち消費者の毎日のチョイスって、小さいけれどとても大切だなぁっと、つくづく思います^^