Newman Arms ニューマン・アームズ(閉業)
オックスフォード・ストリートの北側、シャーロット・ストリートすぐ近くの裏通りにある小さなパブが、2015年夏からコーンウォール地方の産物を使ったガストロ料理を出しているというウワサは、なんとなく耳に届いていました。そして初めて訪れてみると・・・最近流行りのモダン化など全く意に介さないといった風情の、素晴らしい伝統パブだったのでした ^^
1階がバー・スペース、2階がダイニングになっています。18世紀前半の建物というだけあって、コスチューム・ドラマから抜け出た役者さんがエールを酌み交わしていても全く違和感のないダーク・ウッドの趣ある造り。2階ダイニングはこれまた素晴らしく伝統にのっとったインテリアで、10組程度が座れるだけのこぢんまりとしたスペースにはちょっとした高揚感さえ漂っています。
新オーナーのマット・チャットフィールドさんはイギリス南西部コーンウォール地方の出身。コーンウォールと言えば食素材が充実していることで知られますが、ここの農産物・海産物の生産者たちで組織した「The Cornwall Project」とタッグを組んでいるので、魚介類はもちろん、肉や野菜もコーンウォールのものにこだわった日替わりメニューを楽しめます。コーンウォール・プロジェクトは、いわばロンドン市内の飲食店とコーンウォールとをつなぐ活きのいいパイプのようなものかもしれません ^^
サバのタルタルとジャージー・ロイヤル、キュウリの浅漬け、バターミルクという不思議な取り合わせのスターターをシェアしたら、これがとても素敵な味のハーモニー♪ 軽く一皿いけてしまいそうな春らしい一品でした。メインはモンクフィッシュ(アンコウ)と春キャベツ、セロリアックとシイタケのラグー。
モンクフィッシュは少し塩がきつい感じもしましたが、白味噌入りのソースと中和させるといい感じに。セロリアックのラグーはこちらも味付けは濃い傾向にありましたが、食べたことがない料理で「セロリアックってラグーにしたら美味しいのだ」という新たな発見に♪ メインの付け合わせで頼んだブロッコリーも美味しく、さらに「Pink Fir Apple」というデコボコな形をしたジャガイモをサクサクになるまで揚げ焼きしたサイドは、初めて食べる食感!! ローズマリー・ソルトがちょっと塩辛すぎる気もしましたが、これはイギリス人なら大好きでしょうね ^^
仕上げはチョコレート・ムースで。シーソルト・キャラメルのアイスクリームと中和してもなかなか甘さが強めでしたが、調理具合や量などは完璧でしたよ。全皿を通してシェフの工夫が感じられるクオリティの高い品々。濃いめ味付けがどの皿にも及んでいるわけではないですが、しっかり目の味付けが好きな方向けかもしれません。
概して満足度の高い当店、気になる点があるとすれば、1階はトイレの香り?がなんとな〜く漂っていることでしょうかw 飲み始めると気にならなくなるんでしょうけど ^^ 2階はまったく問題ないです。