The Hero ザ・ヒーロー
西が引き続き熱い。こう書くと何人かの東の友人がキョトンとした面持ちで(しかし若干寂しげに)こう言う。「東ってもう終わりなの?」いや友よ、そんなことはない。ただ、西が熱いだけなのだ。
パディントン駅の北側、高級住宅街のメイダ・ヴェールに「The Hero」という名のパブがこの春、登場しています。以前はThe Hero of Maidaという名前だったのですが、新たな敏腕マネージメント・チームの下、素敵に改装を施し、シンプルな名前を掲げての再出発。実はここ、私もお気に入りのThe Pelicanというリニューアル・パブの姉妹店ということで、これは見逃せないと早速足を運んでみたのです〜。
何はともあれザ・ヒーローは、建物そのものがオーセンティック! 1878年に遡るビクトリアン・パブが、暖かなテラコッタ色が心地よい現代風インテリアに生まれ変わり、南欧風シャビーシックな雰囲気がもう地元の人に大人気。よくよく見てみると、The Pelicanのインテリアにそっくり^^ オーナーチームはこの路線を引き続き推しているようですね。
料理はもちろんブリティッシュ・パブの伝統を守りつつ、現代風に再解釈した愛すべきパブ飯たちです。この日はサバのパテ&黒ビールのソーダブレッド、スコッチ・エッグ、今日のスペシャルだった野菜盛り、そしてラム・チョップ&フェンネルを選んでみました。
パテやスコッチエッグは少し塩気が強いのですが、やはりビールやワインに合うおつまみとしては優秀なのではないかと思います^^
とてもエネルギーが高かった野菜類はこの季節のご馳走。濃厚なハーブのペーストと一緒に頬張れば、淡白な味わいのお野菜が一気にビールのお供へと昇華します。サバのパテはもちろん自家製。美しいソーダブレッドとの相性も抜群♪
骨つきの部位を使ったラム・チョップはパブ料理としてはとても洗練されていて、お肉も美味しかったです。サイドにいただいた新ジャガの炭火ローストが美味しすぎていくらでも食べられそうなほどでした。
デザートはさっぱりベリー類のジェリーとシャーベット!宝石のような美しい仕上がり。そして夏にぴったりの爽やかさ、フルーティーさ。スプーンが止まらない!
さて、どうして見出しに「鼻持ちならない」なんて書いたのか、説明不足ですね(汗)。
確か木曜の夕方に訪れたと思うのですが、パブに近づくにつれて外の賑わいが半端ないことに気づき、そして中に入った途端、そこがメイダ・ヴェールで今一番イケてる住人たちの溜まり場だとわかったのです〜w
来る人来る人、ほぼ全てモデルかジム帰りかと思うほど、パシっとした身体つきの人が多い。特に男性。いわゆる中産階級のホワイトカラーっぽい人の集団ですね。東のトレンディなパブとは一味も二味も違う客層です(東のクリエイティブ層は意外にお腹の出た人も多いのですが^^; ここは全然違った)。とにかくピープル・ウォッチングに気を取られて友人との会話も上の空w・・・そのくらいインパクトが強かった。醸している雰囲気が、独特なんです。いわゆるカリスマのあるパブ、とでも言うのでしょうか。
「鼻持ちならない」というのはまぁジョークですが、そのくらいハッキリと集団カラーが出ていたんですよね。パブは人が作ると言いますが、まぁここはそういうパブ。いわゆるお金持ちの意識高い系のポッシュ集団に会いたければ、このパブに来ると良いでしょう。(笑)
ともあれ、今最も力のあるパブの一つだと思います。
犬を連れたお客さんも多かった。バーの背景にも猟犬のイメージが飾ってあり、パブ・サインにも犬のイメージを使っているので、ドッグ・フレンドリーなのは間違いない。もしや「ヒーロー」って、ワンちゃんたち!?
北コッツウォルズのCharlburyにも同じチームが手がけた「The Bull」というパブがあります。ここもなかなか優れたパブのよう。行ってみたいですね〜^^