Paesan パイザーン(閉業)
クラーケンウェルのExmouth Marketと言えば、良質レストランやカフェが軒を連ねる食デスティネーション。入れ替わりもコンスタントに行われていて目が離せないのですが、そのコーナー・ロケーションに2013年春にオープンして以来、ご近所たちに重宝されているトラットリア・バーがこちらです。高々とした天井、ゆるいカーブを描くレイアウト、カントリー・モダン調のインテリアで、なかなか粋な雰囲気なのです ^^
Paesan / パイザーンという聞き慣れない店名は「イタリア人の同胞」とか「同郷の仲間」のような意味なのだとか。気の置けない仲間と訪れ、郷里の味を心ゆくまで楽しむ。そんなコンセプトを実現していく当店はぜひ、2人以上で訪れて1700から20:00までのハッピーアワーのご利用を♪ 5種類あるハウス・カクテルは同じ種類を頼めば2杯で1杯分のお値段になり、口当たりのよさも手伝って2杯が4杯、4杯が8杯と、倍々ゲームになっていくキケンも秘めていますが・・・ ^^; 超お得です。
メニューにはそれぞれの品がイタリアのどの地方の名物なのかが分かるよう明記してあるのが特徴。イタリア料理店というとシェフの出身地の料理に特化していることが多いですが、ここはロンドンにいながらイタリアの東西南北、様々な地方料理を楽しむことができる珍しいレストラン。興味のおもむくままイタリアンな食めぐりを楽しみましょう♪
おすすめは手打ちパスタ! この日はカンパーニャ地方の皿、ボンゴレ・スパゲッティをいただきましたが、自家製と思われる歯ごたえ良好な太めスパゲッティにアサリ出汁がよくからまって、大変美味しくいただきました。その他もカラブリア地方のロケット菜とクルミのペスト・ソース、ロマーニャやトスカーナのハンドカットしたパパデッレ・パスタなど、他にも試したいメニューがたくさんありました。
半オープン・キッチンの上には豚の各部位を示すイラスト・ボードが掲げられていて、ポークも売りなのかな?と思わせます。じっさい、ラツィオ州の料理だというポークのサルティンボッカは、余分な脂肪分がなく、適度に柔らかくとても上手に味付けされていて、細くてカリカリのハンドカット・チップスと一緒に食べると幸せ倍増♪ おすすめです。ちなみに日本人が飛びつきそうな魚介類とズッキーニのフリットミストは、イカが大きすぎ&揚げ過ぎでいまひとつ。揚げ物はあまり上手じゃないのかも・・・という印象を受けました。
メニューが豊富なので、何度か通っていろんな味を試してみたいと思わせる良店でした。ちなみに白ワインは味見させてもらったシャルドネ、じっさいに注文したピノ・グリージョ、ともにさほど印象的ではありませんでした。もう少し冷えているといいのになと思うほど、温度管理もいまひとつ。グラスを出しているものに関しては、注文する前に味見させてもらうと間違いがないのかも。
地下にはバーがあり、建築事務所やデザイン企業が多いクラーケンウェルの夜をたっぷり盛り上げます。オールデー営業も嬉しいところ。ふらっと立ち寄ってイタリアンなおつまみで一杯、という使い方もあり。