第71話 Bourbon biscuits・Garibaldi biscuits ~ブルボンビスケットとガリバルディビスケット~

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okashi


<Bourbon biscuits ・Garibaldi biscuits  ブルボンビスケットと ガリバルディビスケット>

「Bourbon biscuits(ブルボンビスケット)」と聞いて、日本人の頭に浮かぶのはあのスーパーの棚に並ぶ定番のお菓子たち。それは人によってエリーゼかもしれないし、ルマンドかも、はたまたホワイトロリータかも?とにかく人それぞれ。でもイギリス人が頭に思い浮かべるものはただひとつ、チョコレートクリームをサンドした長方形のココア味ビスケット。3×6cm程の長方形のそれは表面に10個の穴とBOURBONの文字。どこのメーカーのものを買ってもほぼ同じ姿をしています。メーカーごとに商品名が必ずつけられている日本のものと違い、個々のビスケット名のほうが優先されるイギリス。定番の10数種ほどのビスケットはどこのメーカーのものを買っても同じ名前で売られています。なので、区別をするとしたら、Crowford’s社のブルボン、M&Sのブルボン、Tescoのブルボン、と言った具合。

表面の10個の穴と刻まれたBOURBONの文字がお約束☆

表面の10個の穴と刻まれたBOURBONの文字がお約束☆

ちなみに先ほどからブルボン、ブルボンと連呼していますが、ウイスキーのバーボンとも同じスベルなので、正確にはブルボンとバーボンの間くらいの発音です。Bourbon biscuitsまたは Bourbon creams とも呼ばれることがありますが、これはビスケットを愛してやまないイギリス人の中でも特に人気のビスケット。長い間、そうかなりの長い間愛され続けています。今80歳過ぎのおばあちゃんのそのまたお母さんの時代から売られているくらいですから。時を遡ること約150年、南ロンドンのBermondseyにあるPeek Freans社のビスケット工場の辺りはその敷地の規模やいつも漂うビスケットの香りから、いつしかつけられた呼び名が「ビスケットタウン」。1857年、James Peek 氏とGeorge Hender 氏によって、はじめDockhead に設立されたこの会社は、1861年に「Garibdi bisucuits (ガリバルディビスケット)」と呼ばれるカランツサンドビスケットや、「Pearl」というイギリス初のソフトタイプのビスケットなどを発売して一躍人気を博し、設立から9年後の1866年にバーモンジーの大規模工場をオープンさせたのでした。ビスケットタウンの名にふさわしく、敷地内には銀行や郵便局はもちろん、消防署、従業員が無料で利用することが出来る病院や歯医者はじめさまざまな福利厚生施設が設けられ、ピークフリーンズ社は従業員の労働および生活環境の向上に努めていたのだとか。1989年に閉鎖された工場跡地には今も歴史的なビスケットファクトリーがそこにあったことを示すブルーのプラークが掲げられています。

どこのメーカーのものを買っても同じ姿という安心感を求めるのがイギリス的だったりします、、、

どこのメーカーのものを買っても同じ姿という安心感を求めるのがイギリス的だったりします、、、

ブルボンビスケットに話を戻しますが~気になるのはその名前の由来ですよね。このブルボンが発売された1910年当初、実は「Creola」の名で世に出ました。その後はっきりした理由は定かではありませんが、もっと響きの良い魅力的な名前にしようと改名されたのが「ブルボン」。諸説存在しますが、かのブルボン王朝にちなんでつけられたと言うのがもっぱらの定説です。

イギリスの定番ビスケットはどれも飽きのこないシンプルさがいいのでしょうね☆

イギリスの定番ビスケットはどれも飽きのこないシンプルさがいいのでしょうね☆

数々のヒット商品を飛ばしたこのメーカー。先ほどもちらりと登場しましたが、中でも有名なのが、ガリバルディビスケット。イタリアの革命家であり、船で世界中を駆け巡り戦ったGiuseppe Garibaldi (ジュゼッペ・ガリバルディ)がイギリスを訪れたことを記念して作られたのがこのガリバルディビスケットなのだとか。 薄い板状の生地の間にびっしりと挟まれたカランツ。切り目が入り、簡単に5つに分けることが出来るようになっています。日持ちし、海の上でも簡単にエネルギーを摂ることができる乾パンをイメージして作られたと言われています。このガリバルディを作り出したのが、ビスケット界では有名なJohn Carr 氏。 ウォータービスケットで有名なスコットランドのCarrs社の一族でもある彼がピークフリーンズ社に入り、このガリバルディと前述のPearlを生み出したそうです。パールのほうは姿を消してしまいましたが、ガリバルディは150年経った今も定番ビスケットのひとつ。Squashed fly biscuits(潰れたハエのビスケット)とか、Flies’ graveyards(ハエのお墓)なんていうひどいあだ名はきっと愛情の裏返し。今もなおティータイムには欠かせないビスケットのひとつです。

ガリバルディは日本で売っているオールレーズンをちょっと薄くしたイメージです☆

ガリバルディは日本で売っているオールレーズンをちょっと薄くしたイメージです☆

他にもピークフリーンズ社はイギリス初とも世界初とも言われるチョコレートコーティングのビスケットや日本でもおなじみのマリービスケットを生み出したメーカーとしても有名ですが、そちらについてはまたの機会にお話しするとして、今日はイギリスビスケットファミリーの長老ガリバルディと日本人にとっては印象的な名前のブルボンビスケットのお話でした。 では今日はこの辺で~ You must be dying for a cup of tea and biscuits now 😉

 

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/

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