第128話 Lincolnshire plum bread/ loaf~リンカーンシャープラムブレッド/ローフ~

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okashi


<Lincolnshire plum bread/loaf リンカーンシャープラムブレッド/ローフ >

「リンカーンシャープラムブレッド」または「リンカーンシャープラムローフ」。イングランド東部に位置するリンカーンシャー名物のお茶のお供。「ティーローフ(フルーツ入りのローフ型ケーキあるいはパン)」としてはかなり有名な部類に入るこのお菓子、実際のところ、他のティーローフ類とそう大きく変わるわけではありませんが、とにかくその名はイギリス中で広く知られています。でもプラムが入っているのなら他のティーローフとはちょっと違うのでは?と思われるかもしれませんが、これは昔、クリスマスプディングをプラムプディング、フルーツケーキをプラムケーキと呼んだように、サルタナやレーズンなどのドライフルーツ入りという意味で、実際にプラムが入っているわけではありません。そして、「ブレッド」と名がつくものの、イースト入りのパンタイプの他にベーキングパウダーや重曹で膨らませるケーキタイプが存在するのも、以前ご紹介した「バラブリス」や「バーンブラック」と一緒。レシピにこうでなくてはいけないという厳格な決まりもなく、各家庭に伝わるレシピをそれぞれが大切に作り続けているといった感じです。ドライフルーツを紅茶に浸す派、浸さない派、バターを使う人にラードを使う人、加えるスパイスも人それぞれ、イーストを使ったパンタイプのレシピもあれば、ベーキングパウダーで膨らませるケーキのようなレシピの家庭もあるといった具合。とにかく共通するのはドライフルーツがたっぷり入るということ、そしてたっぷりのバターまたはチーズを添えて食べるという点。チーズを添えていただくのはヨークシャーフルーツケーキとも似ていますね。

これはイーストタイプ、バターの他にチーズの塊が添えられています☆

これはイーストタイプ、バターの他にチーズの塊が添えられています☆

現在は年間を通して、お茶の時間に、朝食にと食べられているこのプラムブレッド、伝統的にはクリスマスに食べるものでした。確かにたっぷりのドライフルーツやバターを入れたリッチなパンですから、それらが高級品だった当時、庶民が毎日食べられるものでなかったのは当然のこと。その土地によっては、クリスマスシーズンになると、来る12ヶ月の幸運を願い、12個のプラムブレッドを焼き、親戚や大切な友人や隣人に贈る風習があったのだそう。この各家庭で毎年12個焼いて、、という風習は消えてしまったものの、今もフェスティブシーズンになるとプラムブレッドを贈る習慣はわずかに残っているのだとか。

リンカーンの大聖堂周辺にはティールームも沢山あります☆

リンカーンの大聖堂周辺にはティールームも沢山あります☆

リンカーンシャーでかなり長いこと親しまれてきたと思われるこのプラムブレッド、一体いつ頃から作られているのか正確なところは分かりません、ただ、商品として最初に作り始めたのはリンカーンシャーの小さなマーケットタウンAlfordの Charles Myersさんだといわれています。1901年、ダービーシャーからAlfordに引っ越してきて、風車と小さなお店を購入したMyersさん。その風車で挽いた粉を使い焼いたプラムブレッドは風味豊かでたいそう美味しく、村でたちまち評判になったのだとか。その後彼の息子たちがあとを継ぎ、現在は同じくリンカーンシャーのHorncastleという町にベイカリーMyers を構えています。隣接するカフェでは今も、紅茶と共にオリジナルを名乗るそのプラムローフをいただくことができます。ここまでいくのは難しくともリンカーンシャー辺りを通り掛かれば、リンカーンプラムブレッドをいただけるティールームやベイカリーはたくさんありますので、巡りあったら是非お試しを。あるいはもし観光でリンカーンの町を訪れるのなら、有名なリンカーンキャッスルや大聖堂の見学後、辺りを見廻せばきっとぴったりのティールームが見つかるはず。紅茶と共にチーズ付きのティーローフをいただけば、次の観光へのエネルギー補給もきっとばっちりです☆

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/ 2018年2月 美味しいイギリス菓子をぎゅ~っと詰め込んだレシピ本 「BRITISH HOME BAKING おうちでつくるイギリス菓子」を出版

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