第4話 Pavlova ~パブロヴァ~

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okashi


< パブロヴァ>

パブロヴァとは低温で焼いたメレンゲの上に、泡立てた生クリームとベリーなどのフルーツを
のせたデザート。表面はさっくり中やわらか、というのがイギリス人の好みの焼き加減。イギリスではベリーの豊富な夏に特に人気のデザートです。

このメレンゲは卵白にたっぷりのお砂糖を加えてしっかり泡立て、そこに少量のビネガーとコーンスターチ、そして香り付けにバニラなどを加えて焼くのが一般的。スプーンで天板にラフに広げて大きく焼いてもよし、きれいに絞り出してもOK。小さな円形に絞り出したものは、その小鳥の巣のような形から「メレンゲネスト」と呼ばれていて、箱入りになったものがスーパーの製菓コーナーには必ずおいてあります。田舎の食料品店に行くと、直系30~40cmくらいはありそうな巨大なお皿状に焼かれたメレンゲが、ビニール袋に入れられて、天井からぶら下げられて売られているとも。
市販品に関してはしっかり中まで乾燥焼きされているので、中ふんわりの食感は得られませんが、
ホイップクリームとフルーツさえのせれば、相当華やかなデザートがあっという間にできてしまうのでとってもお役立ちです。

どれも美味しそうなパブロヴァたち☆ メレンゲさくさく、フルーツたっぷりがお約束☆

どれも美味しそうなパブロヴァたち☆
メレンゲさくさく、フルーツたっぷりがお約束☆

このパブロヴァ、あまりにポピュラーなのでもちろんイギリス発祥かと思いきや、実は生まれはニュージーランドかオーストラリア。ここがとっても微妙なところで、お互い自分が本家と譲らず、長年の論争の種となっています。
このパブロヴァという変わった響きの名前はロシアの伝説的バレリーナ Anna Pavlova(1881-1931)に由来したもの。確かに言われてみれば純白のメレンゲはまるでバレーのチュチュのようです。1920年代に催された彼女のオーストラリアとニュージーランド公演を記念して考案されたというのですが、決定的な文書が見つからないので、白黒つけがたく、、、という状況が続いていた訳です。

さぁ 召し上がれ!

さぁ 召し上がれ!

ところが、この長い論争に決着をつける形になったのが、最も権威ある英語辞典OED(Oxford English Dictionary)の改訂版による記載。そのOEDによると~

<Pavlova>
「もともとは、、、色付けしたゼリーを何層にも重ねて固めた、パレリーナのチュチュに似せたデザート。後に、、、中が柔らかいメレンゲにホイップクリームとフルーツを詰めたデザートに。」
1927年にニュージーランドで発行されたDavis Dainty Dishというゼラチンメーカーによる料理書に載っているゼリータイプのデザートがパブロヴァの元祖であると結論付けたのでした。

オーストラリアのほうはいまだ Esplanade Hotel のBert Sachseによるレシピが元祖だと主張していますが、、、。

ルバーブのミニパブロヴァ

ルバーブのミニパブロヴァ

「パブロヴァのオリジン」といった時に「パブロヴァ」という名前の始まりととるか、今のスタイルの「パブロヴァ」の始まりととるか、まぁどちらもパブロヴァのオリジンには間違いありませんけれど(^^;)
結局オーストラリアとニュージーランド、どちらが今の「メレンゲ+生クリーム+フルーツ」の発祥かははっきりしないままですが、そんな論争はどこ吹く風、イギリスではさも「伝統的なイギリス菓子ですよ」という風情のパブロヴァです☆

 

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/

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