食材が語り出すよ。衝撃のおまかせ<Sushi>体験

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The Fuji Grill  フジ・グリル

ロンドンではここ数年、和食への注目が高まっています。なかでも寿司にはかつてない熱い視線がっ。

ドラゴン・ロールとかスパイダー・ロールとか、ちょっと前まで人気だった変わり巻き寿司はまだメニューに載っているけれど、寿司への知識が深まるにつれてクオリティも分かるようになり、日本古来の握り寿司のアートを味わいたい人が増えているように感じています。必然的に古典的かつ上質な握りに注目が集まり、腕のいい日本人の寿司シェフは引っ張りだこ。もちろんご自身の城を築いていらっしゃる精鋭の寿司職人の皆さまも、少数ですがいらっしゃいます。

その中でも、今年9月に登場しているチェルシーの高級ホテル、Beaverbrook Town Houseの日本食レストラン「The Fuji Gril」で寿司部門を統括されている石川ゴエモンさんは、最注目職人のお一人^^

Beaverbrook Town Houseはスローン・スクエア駅からすぐ。ラグジュアリー業界では知らぬ人のいない高級カントリーハウス・ホテル、イングランド南部サリーに構えるBeaverbrookがオリジナルで、このたびロンドン進出と相成ったのであります。

Sloane Street沿いのタウンハウス。

エントランスを飾るスタイリッシュなバー♡ 次回はここに座りたいね。

立派なタウンハウスを改装した高級ホテルが、今年になってロンドン市内には複数オープンしているのですが、ビーバーブルックはその中でも最上級クラス。会員限定のサービスも数多く展開していて、実は本日ご紹介する寿司カウンターでのおまかせコースはもともと会員の皆さんだけに向けたものでした。それが嬉しいことに、評判を聞きつけたお客さんの要望で一般にも開放! 195ポンドで、日本人寿司職人による豪華20コースおまかせディナーをいただけるようになりました^^

おまかせSushi Barがある一画。居心地良い♪

寿司バー! 毎日6名だけのラグジュアリーです^^ このバーの主は・・・

この日のおまかせメニュー。読むだけでもすごい・・・

寿司カウンターの主人は・・・我らが石川ゴエモンさん!

ゴエモンさんがコベント・ガーデンのParsonsでヘッド・シェフを務められていた頃に何度かお世話になって以来、彼のゆく先々にお邪魔している編集長w  ゴエモンさんの食への思いと探求には本当に頭が下がる思いがしており、今は名実ともにゴエ・ファンです^^

シェフ・ゴエモン、イギリス料理を斬って結ぶ!

 

シェフ・ゴエモンはビーバーブルック・タウンハウスの立ち上げ時からその腕を請われ、現在は寿司部門を統括。こちらのページを見てもお判りのように、マリルボーンのDiningsから始まる彼のキャリアは、彼がその時々の人生でどんな食に興味があるのかを物語っていて、シェフとしてのステップをそのまま反映しています。ポジションにこだわらず、海外で何を学んでいきたいかを最優先してきた彼の経験が、チェルシーの高級ホテル・レストランの寿司部門統括という現在の地位へと導きました。前職も含めて、近年は後進を育てていくことにも力を注いでおられるようです^^

ビーバーブルック・タウンハウスの日本食レストラン「Fuji Grill」は、日本文化、とりわけ日本食にこの上ない敬意を抱いているオーナーさんの思いが込められた空間作りがなされていて、日本のアートが文字通り壁を埋め尽くします。なかなか興味深いので、アートを覗きにバーを訪れてみるのも面白いのかも。

さて、本日のコースはゴエモンさんがゼロから構築してくださった20品目の心づくしのコース♡ 「伝統の日本食だけでない、ロンドンならではの味の広がりを皆さんに味わっていただきたい」と言う彼が取り入れるのは、日本の伝統食材と、英国産の新鮮食材。その組み合わせから、これまでにない食体験へと私たちをいざなってくれます。

いざ、ゴエモン流ロンドンの食世界へダ〜イブ・・・♡

第1のコース。赤鯛の昆布締め。煎り酒ジェリー、コールラビのピクルス。この淡い色合いに惚れました。日本ならではの色彩ですよね・・・。

やはり日本酒・・・♡ ソムリエさんが色々アドバイスしてくださいます^^

第2のコース。タコ、海苔の佃煮、ヘーゼルナッツ入りの鰹節。ゴエさんらしい創作料理^^

第3のコース。ハマチ、スモークしたナスのピュレ、土佐酢ジェリー、キャビア♡ ロンドンらしい折衷料理。

第4〜6のコース。コーンウォール産の蟹+イクラ、自家製スモーク・サーモン、赤鯛+梅干し&紫蘇。最高。

第7〜9のコース。イカとカリフラワー、ハマチ+ぬた、ボタンエビのVSOP漬けキャビア。天才。

すごいクリエイティビティ! 天才・石川ゴエモン♪  全部ご本人がサーブ。

第10のコース。北海道産ホタテの磯辺焼き♡ 海ぶどうと自家製ガリ、最高。

第11のコース。マグロ赤身。クオリティを見よ。

第12、13のコース。中トロ&大トロ。仕入れのブツを見せてくださいます♡

第14のコース。日本産和牛、舞茸、新じゃが、黒トリュフ。ソースも絶妙。日本人以外のお客さんはこれがいちばんのヒットだったのかも^^

第15のコース。スコットランド産ロブスター、大トロ、イクラの一口ちらし。あと3つくらいいけそう^^

第16のコース。コーンウォール産のサバの棒寿司。新鮮そのもの。旨い。

第17のコース。生トウモロコシ+トリュフ。これはDiningsでも出してたものだ! とてもフレッシュ。

第18、19のコース。あん肝+たくあん、イチジクのチャツネ、自家製クラッカー。締めのチーズみたいにいただきます♪  そして最後に真鯛のお澄まし。決まり。

最後のコース。抹茶&小豆ケーキ。これは同僚さんが作られたそうです! 手前の洋梨のコンポートはゴエさん作。至福。お澄ましのお椀も日本のクラフト作品を使っています。

さて、いかがでしたでしょうか?

寿司といえば「素材」+「職人の腕」の芸術。そして根幹に必要なのは、食材へのリスペクトと選別眼。英国近海の独立した漁師さんを直に知るゴエモンさんには、ここは譲れない己れの領域。彼ならではの食材選びが光る独自料理でもあります。

感想ですか? あなたが魚介と寿司を愛する日本人なら、こんなに堪能できるコースはないと思います。ゴエモンさんによると、ホテルのバックグラウンドがしっかりしているので、より良い食材を選んでいく姿勢には妥協がないとのこと。ロンドンが開く可能性と、日本食ファンのオーナーさん、そしてシェフ・ゴエモンのクリエイティビティに感謝! もうそれだけです。お値段の価値は十分。それはシェフが紡ぐ食のアートに他ならないから。

ご自身の可能性を追求し、来年はまた別のレストランへと旅立っていくというゴエモンさん。彼の20品目コースを味わいたいなら、今。もちろんFuji Grill全体では、温かいお料理など通常の日本食メニューを堪能していただけます♪

いや〜チェルシーっぽいお店ですわ。客層をウォッチングするのもまた楽し^^ (そういえばこの日、マイケル・ケインさんが来店されていたと後で聞きました)

Beaverbrook Town House, 115 Sloane Street, London SW1X 0AT

店名The Fuji Grill
最寄り駅Sloane Square
住所Beaverbrook Town House, 115 Sloane Street, London SW1X 0AT
電話番号020 3988 6611
営業時間火〜土11:30 – 15:00 / 17:30 – 22:30 日 12:00 – 22:30 おまかせ寿司バー 水〜土 20:30 -
URLhttps://www.beaverbrooktownhouse.co.uk/eat-and-drink/the-fuji-grill/
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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2件のコメント

  1. アバター画像

    LONDON LOVEさま
    スモークしたサーモンをお寿司にするのは
    確かにイギリスならではかもです^^
    見た目も美しくて素晴らしかったです。
    ロンドンならではの和食ナイトでした!^^

  2. 超美味しそうです!
    スモークサーモンのおすしは
    ロンドンならでは、かも。。。
    日本の”カウンター”のお寿司屋さんで、
    なさそうな。。。
    どれも、これも、素晴らしいですねー😊

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