Brawn ブラウン
来年で15周年を迎えるコロンビア・ロードの横綱、Brawn。2010年にポークとワインを専門とした店として誕生して以来、地元の人たちだけでなく、遠方からのゲストにも愛される名店に成長してきました。
ブラウンは、かつてコベント・ガーデンにあったTerroirs / テロワールというワイン・ビストロの共同オーナーだったシェフのエド・ウィルソンさんによるプロジェクト。エドさんといえば、一時は4店舗の人気レストランを一手に切り盛りするオーナー・シェフでもありましたが、現在はこのBrawnと、バタシーのSolfのみになりました。両者ともに、手塩にかけて育てている感のある素晴らしいビストロであります♡
コベント・ガーデンのTerroirsは、2008年のオープン当初からよく通いました。私が初めて「テロワール」という言葉に接し、その意味を知るきっかけを作ってくれたお店でもあります。またここは、ロンドンでほぼ初めて、ナチュラル・ワインやバイオダイナミック・ワインを主に扱ったお店としても知られています。
エドさんのアプローチは、当時とほぼ同じ。旬の味が濃い食材を使って丁寧に調理をし、その持ち味を生かした素晴らしくシンプルな料理をクリエイトする。そのお料理を、自然の恵みいっぱいのナチュラル・ワインと合わせ、ゲストに幸せをもたらす。ヨーロッパの人々がもう何世紀も前から続けてきた食の習慣を、素朴でありながらある意味洗練された形で後世に残していく店、という感覚があります。
実はブラウンはずっと訪問したいお店リストに入っていたのですが、実際に食事をしたのは今回が初めて。早々に訪れた友人知人から「美味しいよ!」という感想を聞きつつ、これまでチャンスがなかったお店の一つです(皆さんにも、そんなレストランがいくつかあるでしょう?)。一緒に行ってくれた友人親子に感謝です♡
そうだ、チャンスを逃し続けていた理由を思い出しました。お店のあるコロンビア・ロードは、日曜のフラワー・マーケットで有名ですよね。私も折に触れて足を運ぶマーケットです。でも! ブラウンは日曜日がお休みなんです〜これがやはり、一番大きいですね^^
さぁ、恋焦がれたブラウンの食事は・・・期待通りのアプローチでした。フレッシュ・チーズと味の良いカポナータのお皿では、大きなバジルの葉っぱが良き香りの仕事をしています。スイカのサラダはペコリーノの塩気でいただくお口いっぱいジューシーな一品。燻製鴨のサラダには、甘いくるみがアクセントを。
メインのお皿として、ジロール茸のパスタ、シーバスとココ・ビーンズ+レインボウ・チャード、ラム肉とひよこ豆+ナスをシェア。パスタは絶品。他の2皿も職人技が光る仕上がりで美味しかったのですが、ココ・ビーンズの塩気が強かったことだけが残念でした。あとは満点! 爽やかな地中海の風を感じるお料理たち・・・
デザートはきっちりと一人一皿いきました^^
イチジクの葉で風味づけしたパンナコッタ+アプリコットとグラッパ・ソース、ヘーゼルナッツのトッピング。2品目はチョコレート・タルトとクレームフレッシェ、そして3皿目はピスタチオ・パフェとストロベリー。3人で「うんうん」と頷きながらペロリと。
ブラウンは、やはりナチュラル・ワインを扱うレストランの先駆けです。
私自身は最近オレンジ・ワインばかり飲んでいて、いろいろな生産者が豊富な銘柄を生産してくださっていることがまずは嬉しい限り。出始めの頃は洗練度の欠けるものもありましたが、最近は驚くほど風味の良いものもあります。オレンジ・ワインの好きなところは、土や皮の風味のようなものをしっかりと感じられ、地に足がついた強さがあることです。
日本酒も純米派の私。オレンジ・ワインと純米酒ってどこか共通点があり、食事によく合うと思うんですよね。どちらもフワフワしたところがなくて、バシッと逃げ場のない味わい。食べ物と合わせても負けない強さ。自然のたくましさを感じられるところが好きです^^
次はいつ行けるだろう、ブラウン。日曜日ではない日に、コロンビア・ロードを散歩しなくちゃ。