Josephine Bouchon ジョゼフィーヌ・ブション
ロンドンでは今、密かにフランス料理店がリバイバル流行しています。そのことについては「料理王国」さんでも書いたのですが、あらゆる価格帯のお店がロンドン各所を席巻中。やはりイギリス人たちにとって、気軽な外食も、スペシャルなお出かけも、フランス料理は基本。そこは変わらないのですよね^^
昨年フルハム地区に誕生した「ジョゼフィーヌ・ブション」は有名フランス人シェフのクロード・ボシさんが手がけているのですが、同じく昨年ご自身が手がけたペニンシュラ・ホテル最上階の「ブルックランズ」に比べると、格段にカジュアルで敷居の低いお店。フレンチ・ビストロ風の古典的インテリアにグッとくる美しいレストランです。

このブルーが目印。

こういった古典的なセッティングはワクワクしますね。

突き出しも出ます!
店名に入っている「ブション」というのは、フランス・リヨン地方で古くからある店舗形態で、女性たちによる家庭料理の延長をいただけるのだとか。食材を無駄にせず、捨てるような部位でもきちんと活用し、ボリュームも栄養もたっぷりの料理をふるまうのが、ブションです。リヨンはボシさんのルーツでもあるのですって。
その伝統にのっとり、多くがカジュアルで親しみやすいメニュー。前菜も10ポンド前後でステーキ タルタル、フレンチ・オニオン・スープ、チーズ・スフレ、テリーヌなどが並びます^^

このバゲットの美味しさは格別!

チーズスフレ。ローヌ地方名産のソフトチーズ、サン・フェリシアンを使っているそうです。

ビーフ・タルタルはスパイス使いが良い!

「今日のサラダ」だったかな。とても現代的で美味しいサラダでした。
古典的なフランス料理店に来て困るのは、野菜料理の少なさ。ジョゼフィーヌも同じ課題を抱えていますが、フランスのレストランでは誰も野菜なんて食べないのかも^^; 前菜に「今日のサラダ」という救済メニューがあるので、ぜひ一皿取られることをお勧めします。
さて、メインはサーモンをシェアしてみました。これが大正解! 皮はパリっと。レンティル豆とホワイト・ソースなんて不思議な組み合わせですが、上手にアレンジしていました。付け合わせにポテト・ドフィノワーズを。正統派のフランス料理店で食べるのは初めてかも!
お料理はいずれもシンプルな定番品を、しっかり丁寧に再現している。そんな感じです。もちろん現代風の工夫も凝らしているものもあるでしょうが、それに気づかせないほど古典への敬意を感じます。
ゲストもそれを楽しみに来ているようにも思え、お隣に座った熟年のご夫婦はお二人ともチーズ・スフレの前菜で、奥様はメイン・コースもチーズ・スフレ・・・! まさに「これが食べたかったのよ」ということなのでしょう^^
デザートはチョコレート・ムースのケーキ。私たちが訪れたときはまだデザートの数が少なかったのですが、今はチーズを入れて6種類を用意。このチョコレート・ムースはポーションを増やして二人前で提供しているようです^^ シグニチャーなのでしょうね!

クリームを多く摂った日は、フレッシュ・ミント・ティーで締め。美味しい!
フランスの伝統にのっとり、平日は「今日の一皿」も用意。お肉ばかりが続く中で、金曜日は英国の伝統に合わせて魚介類を提供します^^
素敵な上質ビストロ風ブション。カジュアルな古典フレンチを懐かしんでいるあなたに、ぜひ。