<Pancake パンケーキ>
日本では久しくパンケーキブームが続いていますね。タワーのように重なったパンケーキにたっぷりのクリームとベリー、リコッタチーズ入りのふんわりパンケーキ、はたまた銅板で焼く懐かしのホットケーキまで種類も実に豊富。卵と牛乳と粉があれば手軽にできてしまうパンケーキは世界中で人気のおやつだと思いますが、イギリスにもまた知られざる美味しいパンケーキがあります。
これクレープじゃないの?と思うことなかれ。これがイギリスでいうところの「パンケーキ」。お隣の国のクレープのように繊細な薄さではなく、もう少し素朴な厚みがあります。トッピングもいたってシンプル。グラニュー糖をさらさらっ、レモンをぎゅーっ、とこれだけ。あとは端からくるくる巻いて食べるのがお約束。本当にシンプルなのですが、それゆえに後を引く美味しさ。気づくと数枚は軽く食べてしまっています。
年に一度、このパンケーキをイギリス中の国民が一斉に食べる日があります。「パンケーキデイ」と呼ばれるその日は毎年2月~3月の間にあるShrove Tuesdayのこと。移動祝祭日でもあるイースターに伴い毎年その日にちは異なります。ちなみに今年2015年は2月17日(火)。イースターの46日前から始まるレント(四旬節)の前日がShrove Tuesday でありパンケーキデイなのです。では何故パンケーキデイと呼ばれるようになったか、ですが~
このレントの期間中人々は食事や祝宴などを節制するという習慣がありました。当時はレント中、肉類のほかに卵や牛乳、バターなどの乳製品なども食べなかったので、レントが始まる前日にそれらをパンケーキにして食べきっていた~というのがパンケーキデイの始まりだそう。パンケーキの4つの材料でもある卵、小麦粉、塩、牛乳はそれぞれ、創造・命の糧・健全・潔白を意味しているといわれています。
現在断食の習慣は消え、美味しいパンケーキを食べる習慣だけが残っているわけですが、今でもこの期間中、「私はチョコレートを我慢する」「お酒を我慢する~」と何かひとつ自分の大好きなものを我慢する宣言をする人もいます。知り合いが話してくれたのですが、彼女がまだ子供だった頃、彼女のおばあさんはレントの期間中はお昼を食べずにその昼食代としてお金をためておき、教会にいつも寄付していたそうです。本来キリストの受難と苦しみを分かち合うために行われていた節制。レントの期間が40日というのも(日曜日はカウントしないので)、キリストが荒野で行った40日の断食からきているのだとも言われています。
イギリスではこの日いたるところで「パンケーキレース」なるものも開かれています。
エプロン姿でパンケーキの入ったフライパンを持ってかけっこするというなんとも楽しいイベントなのですが、その中でも最も有名なのが、バッキンガムシャーはOlney という町のパンケーキレース。パンケーキレースの発祥の地といわれています。ことの始まりは1445年。せっせとパンケーキを焼いていたためShrivingのミサに遅れそうになった町の主婦が慌ててフライパンを手にしたままエプロン姿で教会まで疾走したのが始まりだとか。。この日olneyでは11時55分、町の中央のマーケートプレイスから教会までのハイストリート415ヤードをエプロンに三角巾姿の町の女性たちがフライパン(もちろんパンケーキ入り)を持って走り抜けます。その速さたるやトップの人は1分足らず!顔は笑顔ですが本気の早さです☆思わず参加したくなるくらい楽しいイベントなのですが、参加資格は18歳以上でOlney在住3ヶ月以上の女性。
う~ん残念!?
2件のコメント
まゆさん お返事遅くなりました~☆
このパンケーキ思い出すと食べたくなるのだけれど、この時期が過ぎるとまたすっかり存在を忘れてしまうんですよね~(^^;
パンケーキ・レースが15世紀から続いていたとは驚きです!! このイギリスのパンケーキ、しばらく食べてないなぁ・・これは自分で作るのがいちばんですな ^^