古典カフが極上モダン・ダイナーになる日

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Jim’s Cafe  ジムズ・カフェ(閉業)

一見したところ、何の変哲もない古典的ビルダーズ・カフのように見えるJim’s Caféなのですが、実は数ヵ月前にオープンしたてという、正真正銘21世紀のモダン・ダイナーであります。とはいえ、なぜか紛々と漂う庶民派の匂い・・・その理由とは?

庶民の街の佇まいを残すChatsworth Roadのまんなかあたり

庶民の街の佇まいを残すChatsworth Roadのまんなかあたり。

繁栄と拡張を続けるハックニー地区の一画、ホマートンの商店街Chatsworth Roadは、今やトレンドに敏感な人々の注目を集める人気ストリートですが、まだまだ昔ながらの庶民派イースト・ロンドンの面影も残しています。

ボックス・タイプのテーブル席の脇には、レトロなランプが。

ボックス・タイプのテーブル席の脇には、レトロなランプが。

Jim’s Caféは、イタリア系移民の家族が経営していた通りでいちばん古いイタリアン・カフだったそうです。そこを飲食業界に身をおく若き3人の同士たちがアイデアを持ち寄って始めたのが、当時の店名をそのまま残したJim’s Café。改装に際しては、イタリアン・アイスクリーム製造所としても人気を博していた1960年代のレトロ感をたっぷり留めるような佇まいとなるよう努めたとか。

キッチンはオープン。才能あるシェフたちが忙しく働いている。

セミ・オープン・キッチン。才能あるシェフたちが忙しく働いている。

立ち寄った時間はちょうどランチタイムを過ぎた頃で、お客さんもまばら。飲み物は紅茶で、と最初は思ったのですが、やはり思い直してワインを ^^   なにせメニューは「St John」や伝説の「Zucca」、そして「Trullo」といった現代ロンドンの食シーンを牽引する上質カジュアル・レストランで経験を積んだヘッドシェフ、ダミアンさんをはじめ、若い才能が楽しみながら作ったことが分かるバラエティに富んだもの。やっぱりワインが合うかなと選んでみました♪

入り口の佇まいからは、こんな小洒落た料理が食べられるとは思えない。

入り口の佇まいからは、こんな小洒落た料理が食べられるとは思えない。

おつまみにはサバのお刺身+フェネルとベルガモットのサラダ、炭火焼きカリフラワーとピーナッツ、人参とパースニップのフリッター+ヨーグルト・ソースを。これが全部バランスよく美味しい。フリッターもカラリと揚がっております。サバのお刺身は嬉しいおどろき! フレッシュでフェンネルのサラダとよく合います。

キヌアのリゾットやフィッシュ・カレー、チキン・シュニッツェルにハウス・バーガーとメイン・ディッシュが揃うなか、大きいお皿からは海老バーガーを選んでみました。

海老バーガー! また食べたい♡

海老バーガー! また食べたい♡

海老パテがジューシーで味付けもよく、美味しい! ブリオッシュ風バンズとの相性も抜群で、郷愁のフレンチ・フライもいい味出してます ^^

夕方になるとテーブルにワイングラスが配置される。

夕方になるとテーブルにワイングラスが配置される。

ここは8時から22時まで毎日オープンしているので、おかしな時間にふらりとやってきても、このクオリティの食事ができるなんて嬉しいかぎりです。オールデイ・ブレックファーストには定番フル・イングリッシュの代わりに、スモーク・ハドックのオムレツやダック・エッグのハッシュなど、ちょっと変わった面々が揃っています。

老いも若きもきっと大好き、極上ダイナー。

老いも若きもきっと大好き、極上ダイナー。

6時前くらいからテーブルは昼の顔から一転し、ワイングラスが並んでディナー仕様になっていきます。こんなダイナー、ご近所にあったらいいですねぇ ^^ 食材の地産地消は当たり前。できるかぎりオーガニックのものを使っているそうですよ。

締めは「Jim’s Tea」。たっぷりマグに入ってくるのは、名前を忘れてしまったけどクオリティ紅茶ブランドのティーバッグでした。レア・ティーかJinティーだったかな。「ビルダーズ・ティー」と言うには洗練されているけれど、メニューやインテリアも含め、かつてのカフェへの敬意が感じられ、あっという間に時間が経ってしまう心地よさ。いい店だと思います。

濃く出してたっぷりミルクを注ぎたい。

濃く出してたっぷりミルクを注ぎたい。

【再訪記】
こちらは固定メニューのハドックのオムレツなり。ボリューム満点! 味の濃い黒パンが付いてきます♪

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59 Chatsworth Road, London E5 0LH

店名Jim's Cafe
最寄り駅Homerton / Hackney Central
住所59 Chatsworth Road, London E5 0LH
電話番号020 3026 4465
営業時間毎日 8:00 – 22:00
URLhttps://www.facebook.com/JimsCafe59/
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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