Berenjak ベレンジャック
料理、サービス、価格、雰囲気、ロケーション。この5つのエレメントのクオリティ・バランスが上手に取れていればいるほど、レストランは強い。これは長年の経験から感じることですが、SOHOに2018年秋にオープンしているモダン・ペルシャ料理のBerenjakは、この全てのエレメントでハイスコアをマークしている!文字通り最強のレストランなのです。
まずロケーション。ソーホー内の賑やかな一画に位置し、隣接する同じく小さなレストラン群とひしめき合う様子がなんとも猥雑で楽しげ。床面積は小さいもののそれが返って穴場的な雰囲気づくりに貢献し、個性あるユニーク・レストランの地位を築き上げています。
そして雰囲気。比重が大きいカウンター席+オープン・キッチンはトレンドそのまま。多くのロンドナーたちは静かなレストランよりも活気ある雰囲気を好むので、止まり木のあるデザインは時代を映す設計です。
私たちは奥にあるテーブル席についたのですが、この部屋も独特! 田舎風のざらっとした温かみのある壁、たくさんの植物たち、乾いた中東の気候を表すかのような赤茶色のカラースキーム。壁はペルシャやイランの文化を知るのに役立つ写真でいっぱい。しっかり照明を落とした仄暗さも雰囲気作りに一役買っています ^^
厨房を引っ張っているのはイラン出身のキアン・サムヤニさん。ロンドンのインド料理レストランの中でもカリスマ的な人気を誇るGymkhanaでヘッド・シェフを務めていた凄腕シェフなのです〜。
このGymkhana、そしてBerenjakが所属しているのはJSKレストラン・グループという会社で、もともとインド・アジア料理に強かったのですが、近年はLyle’sやFlor、Saborなどヨーロピアン系のレストランも傘下に加えて勢いがあります。彼らの運営するレストランをみていると「人気レストランとはなんぞや?」という質問への答えが見つかると思います。
ベレンジャックのお料理は、伝統のペルシャ料理にモダンな解釈を加えた現代的なもの。前菜セクションのメゼ類は一見すると正統派のお店と同じようなものが並んでいるのですが、注文してびっくり! ナス料理もフムスもどのお店とも違う個性が光っていました。他のメゼも次回絶対試してみたいなと思わせる引きが・・・
フムスは黒ヒヨコ豆から作っています。現代的なふわっとした舌触り。ナスのメゼは2種類あるのですが、奥に見えてるKashk E Bafemjoonはひとまず一押しです。繊細なスパイスやハーブの香りを楽しむディップ。これぞ中東料理の醍醐味。
メイン・コースはグリル料理、またはシチュウから。グリルは伝統のタンドーリ窯と炭火を使った本格派で、ラムひき肉のクビデはこれまでにない美味しさ! 臭みがないだけでなく、天才的なスパイス+塩加減であり、火の通し具合も素晴らしくお肉の柔らかさや弾力、ジューシーさも完璧でした。どのお料理も一手間かけているなという印象。こういうレストランが身近にあるというのはなんとも心強いものです。
シチュウ料理もイラン料理の代表的なものなので、人数が多いときにまた試してみたいとおもいます♡
デザートは一つ。特大バクラヴァのアイスクリーム・サンド! 甘いものを食べる方なら、これはマストなので絶対にデザート腹を残しておいてください♡
このアイスは中東系のフレーバーに特化したブランド、Darlishのアイスを使っていおり、ピスタチオとのコンビネーションが直球デリシャスなのです。また食べたいなぁ・・・
お会計が入っていた小箱もアーティスティックで素敵♪ そして中を開けると・・・
連れが「懐かしい!」と一言。日本のフーセンガムがお口直しに入ってました^^ こういう技もニクいですね〜。スタッフのお一人に、韓国人と日本人のハーフの方がいて、日本語で話しかけてくださいました。ともかく美味しくてクールなレストランでした〜♡ 全料理を制覇したい!
また近々絶対にリピートしたいお店ができました。予約は必須ですけど、狭いようでいてカウンター席が多めなので2名くらいならふらっと来ても座れるような気がします(ウォークイン用に席を確保していあるようです)。粋なソーホー体験をしたい皆さんは、ぜひぜひ試してみてください^^ (Berenjakとは、イランの伝統的な米菓子なんですって。)