一目惚れの♡南米レストラン再訪 → 新シェフのセットメニュー狙いで!

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Sucre  スクレ

ロンドンで今、私が大切なゲストを連れていきたいお店のトップ5があるとしたら、ソーホーの一等地に佇む「Sucre」は、その一つに入ると思います。

Sucreの故郷は、南米アルゼンチン! 同国でトップシェフとして尊敬されているフェルナンド・トロッカさんが2001年にオープンしたレストランで、アルゼンチンでは国内トップ・レストラン50の常連だそうですよ。つまり現代アルゼンチン料理の最前線レーダーが、ロンドンにまでジワリと広がってきたというわけ。

どうしてSucreがゲストを連れていきたいトップ5レストランに入るのかと言うと・・・^^

築300年のビルに入っている素敵なレストランなのです。

まずはインテリアが醸し出す独特の高揚感ですね。 これはもう、誰もが恋に落ちてしまうレベル。とても非現実的な空間なんです。その空気に触れた途端、時空を超えて1930年代の享楽のブエノスアイレスにひとっ飛び。とてもグラマラスで、ちょっぴりデカダン。ビジネス・ミーティングはもちろん、デートにもピッタリでしょう?

こんな空間、ロンドンにもなかなかない。昔は大学の音楽ホールとして使われていたそうです。通りで・・・

サービスは一流。とてもフレンドリーです。

オープン・キッチンにはもちろん、炎!

昨年4月に訪問したときは、その素敵具合にもう興奮してしまって(笑)勢いのあるレビューをしたためたのですが、今回、ロンドンの厨房を統括するヘッドシェフが新しくなり、ランチとプレ&ポスト・シアターのお得なセット・メニューも刷新されたというので、さっそく試してみました!

スクレと言えば、この薪オーブンがとてもアイコニック。炎と炭火のパワーはすごいです。昨今のロンドンのトレンディ・レストランでは、ほぼ直火料理を取り入れているのですが、野菜もお肉もお魚も生き生きとしてきますよね。シェフたちが豪快に慎重に炎を操り、最上級の素材を直火で調理している様子はいつ見ていて飽きません。

とはいえ、スクレではアルゼンチン式にのっとり、直火というよりも炭火でじっくり間接的に調理するのだそうです。そこは日本と似ています。直火でオーブンを作り、そこでじっくりと調理をする。すると食材の旨味がじわりとリリースされるというわけ。

見ているだけで心踊る♪

アペリティフもぜひ。こちらはラティーノアメリカーノ。南米のジンをベースにした爽やかなカクテル。

パンは以前の方がインパクトあったけど、これも美味しい^^ 全粒粉のパンです。

ロンドンでアルゼンチン料理と言えば、ひと昔前なら肉汁したたる真っ赤なステーキと相場が決まっていました。シュラスコの文化がロンドンで知られるようになったのも、ほんの10年ほど前。そして「ウェルダン」(カチカチで!)好きなイギリス人たちに、レア肉の食べ方や美味しさについて教えてくれたのが、1990年代半ばに創業したアルゼンチン・ステーキハウスの「Gaucho」でした。ガウチョは今や大人気のチェーン店で、ロンドンではホワイトカラー層がいるエリアには欠かせないお店となり、今は地方都市にも進出しています。

そこからアルゼンチン系のモダン・レストランが立ち上がり始め・・・ステーキや肉料理だけじゃないアルゼンチンの食文化もちらほら体験できるようになりました。その究極のかたちが、スクレなんだと思います。

ランチ時間と、プレ&ポスト・シアター時間にいただけるセット・メニューですが、2コースで29ポンド、3コースで34ポンドです。とってもお得! なぜって大半がアラカルト料理からセレクトしてあるから^^ 前菜4種、主菜4種から選ぶことができ、例えば・・・前菜にはアルゼンチン風の焼きナスはいかが?

じっくりと直火で火を通してあるのでジューシーで柔らかく素晴らしい仕上がり。もちろん炭火特有の芳香も。焼きナスはあらゆるジャンルのレストランでロンドンでも人気のメニューですが、たまに火の通し方が甘くてガッカリすることがあるのですが・・・ここは完璧。

美味しい! 焼きナスの南米風。ハーブがたっぷり! さっぱりした前菜です。

プロのトルティーヤも前菜にあります。ンドゥーヤとアイオリ・ソースと一緒に♡

その他、前菜にはトルティーヤ、熟成チェダーチーズとチリ&オニオンのエンパナーダ、チョリソのチミチュリ・ソースなどもあります。

そしてメイン・コースは・・・

こちらはシーブリーム。ポテトとほうれん草でボリュームたっぷり! しっかりとした味の満足度の高い一品です。

レストランの肝でもある薪オーブン。

セット・メニューにはストリップロイン(サーロイン)のステーキもあります(6ポンド追加料金)!

美しいピンク色ですね^^ この日はステーキの味がわかる人(イギリス人)にわざわざ来てもらったのですが、とても美味しいと言ってパクパク食べていました。もちろん私も少しいただきましたが、旨味の強いサーロインだなぁと^^  アルゼンチン牛ならではですね。

以前ランチでここのステーキを食べた友人が口に合わなかったと言っていたので残念に思っていたのですが、 アルゼンチンでは赤身肉を重視するので、サシが少ないため柔らかさやジューシーさが少し足りなかったのかもしれません。確かにしっかりとした肉質のサーロインで旨味が強かったかも。新しいヘッドシェフに変わったことも、今回の美味しさの要因なのかもしれません^^

このほかのメインのオススメは鶏肉のロースト! これは以前に私もランチでいただいたことがあるのですが、とてもジューシーで若干ピリ辛。美味しかったです。新しいメニューはまた、何か工夫があるのかもしれませんね。

そして、スクレで絶対に副菜(別料金)として頼んでいただきたいのが、ズッキーニのサラダです。これは必須オーダー。生のズッキーニに、トーストしたアーモンドと少量のチーズを合わせただけの一品なのですが、これがもう最高に美味しい。何かと濃厚になりがちなアルゼンチン料理を、レモンと生野菜がさっぱり中和してくれるのです。今度家で再現してみようと思っています♡

初めて食べたその日からファン。

カットグラスが美しいデカンタで作られたベスポークのシャンデリアは圧巻!

デザートもアラカルトに載っているものを用意してますよー!

こちらはスクレ名物のドゥルセ・デ・レチェのフォンダン(4ポンド追加料金)! 濃厚で甘〜いファンダン・ケーキを、マスカルポーネのクリームが口の中で整えてくれます♪  中からとろ〜り、ドゥルセ・デ・レチェのクリームが溢れ出す大人気のデザート。

そして感動的だったのがこちらのココナッツ・クリーム・キャラメル♡ ライム風味でパイナップル添えという非常に南米的なデザート。フレーバー炸裂。ぜひぜひ試していただきたいです♪

 

スクレのお料理は、アルゼンチンだけでなく地中海ルーツの食事にもインスピレーションを得ているそうです。オーナーでエグゼクティブ・シェフのフェルナンドさんご本人が、スペインやイタリア、南米を旅していくうちに得た経験から、スクレのメニューが生まれているからなのだとか。

 

セット・メニューの前菜にもあるアルゼンチン名物のエンパナーダは、ストリート・フードのそれよりも格段上のお味。「一流レストランで食べるとこんな感じなんだ・・・」と、至極納得したのであります。

もちろん当店自慢のリブアイもぜひ。100g で13.50ポンドなので、意外とお得なのかもしれません。下の写真は800g! アルゼンチン伝来のチミチュリ・ソースと、ホテトフライが付いてきます。

ジャーン。

薪オーブンはこんな風な感じです。動画でもご覧になってみてください♪
↓   ↓   ↓
Sucre_fire

インテリアはStudio Glittを創設された日本人デザイナー、村松功勝(Noriyoshi Muramatsu)さんのデザインなのだそうです。村松さんは海外の高級和食店やホテルをデザインされることが多いようで、ドバイのZumaなども手がけておられるとか。さすが、高揚感のある空間づくりを得意とされている方ならでは。日本人大活躍!

全体にわたって繊細なカットグラスのデカンタ照明がムードを形作っています。ウォールランプもアンティークの燭台とデカンタの組み合わせ。バーのランプにも! こだわりのあるインテリアも見どころです。

入り口のバーもなかなか落ち着けるスポット。

スクレに来ると、いつもブエノスアイレスに思いを馳せてしまいます。古き良きヨーロッパ的な郷愁と、南米の情熱がミックスされた唯一無二の国際都市。まだ見ぬ憧れの街。

毎日深夜までオープンしているのは・・・やはりブエノスアイレス・スタイルなのでしょうか^^  最近は週前半や日曜日をお休みにするレストランが多い中で、とても頼もしい存在であることは間違いありません。シアター前後の高揚を分かち合いたい、非日常レストランです♡

 

47b Great Marlborough Street, London W1F 7JP

店名Sucre
最寄り駅Oxford Circus
住所47b Great Marlborough Street, London W1F 7JP
電話番号020 3988 3329
営業時間毎日12:00 – 01:00(日は00:00まで)
URLhttps://www.sucrerestaurant.com
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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