享楽のブエノスアイレスが、 Sohoで花ひらくとき。

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Sucre  スクレ

一目見て「すげー!」という感覚が来たとき英語で「ストライキング!」と言ったりしますが、このレストランはまさにそんな感じでした。

一歩入ると、こういうインテリアなんです。何の前知識もなく突如案内されたので、余計にそう感じたのかもしれません・・・。

Wow!

その場のアンビエンスを身に染み込ませ、テーブルについてあたりを見回し、ほっと一息。そして次に思ったのは、「グラマラス♡」。昔は大学の音楽ホールとして使われていたのですって。

この空気感に触れてほしい。

ここはSohoに昨年夏に登場しているモダン・アルゼンチン料理の店「Sucre / スクレ」。ブエノスアイレスでレストラン業を成功させているデュオが、初めてロンドンに立ち上げたお店です。

ロンドンでアルゼンチン料理と言えば、ひと昔前なら肉汁したたる真っ赤なステーキと相場が決まっていました。

シュラスコの文化がロンドンで知られるようになったのも、ほんの10年ほど前。そして「ウェルダン」(カチカチに焼いてね!)好きなイギリス人たちに、レア肉の食べ方や美味しさについて教えてくれたのが、1990年代半ばに創業したアルゼンチン・ステーキハウスの「Gaucho」でした。ガウチョは今や大人気のチェーン店で、ロンドンではホワイトカラー層がいるエリアには欠かせないお店となり、今は地方都市にも進出しています。

そこからアルゼンチン系のモダン・レストランが立ち上がり始め・・・ステーキや肉料理だけじゃないアルゼンチンの食文化もちらほら体験できるようになりました。その究極のかたちが、今回ご紹介するスクレなんだと思います。

ここは自家製のアルゼンチン風ブレッドからして、イカしてました。白い粉で作っているパンなんですが、もっちり滋味深い。柔らかくしたバターがお皿の端っこにシュッとキャンバスのように盛り付けられている様子も全て、好もしいのです。そしてアルゼンチンですもの、忘れてならないエンパナーダ。

エンパナーダは日によって1種だったり2種だったり。フィリングのクオリティが高い+皮のサクサク感も半端ない。

最近はロンドン各地のマーケットやカフェでも普通にエンパナーダをいただけますが(私も好きなのでよくおやつ代わりにつまみ食いします)、今まで食べたどのエンパナーダよりも美味しかったことを、告白します。エンパナーダというとストリート・フードのイメージですが、「一流レストランで食べるとこんな感じなんだ・・・」と、至極納得したのであります。

スクレのメニューでは、まず直火で焼くアルゼンチン自慢のお肉がど〜んと存在感を示しています。しかしながら、実際には野菜から魚までバラエティに富んだ内容で、ベジタリアンもスクレのエッセンスを十分に堪能できるようになっているのですね。このように「モダンなレンストランとは?」というポイントを外さずしっかり押えているところが、これまでロンドンで立ち上がったアルゼンチン料理レストランと一線を画しているところ。そして、それらのお料理が隅から隅まで現代人の舌にマッチして美味しい。天晴れの一言なのであります。

トマトのサラダ。

カリフラワー入りのカウサ。ここのシャンデリアはデカンタ瓶でできてる!

ホワイトアスパラガスと豆、黒トリュフ。最高。

この日いただいたお野菜の皿は、トマトのサラダ、カリフラワー入りのカウサ(ポテト料理)、ホワイト・アスパラガスと黒トリュフ、そしてマッシュルームのフィデウア(細麺のパエリア、写真なし)。いずれもシェフのバランス感覚がしっかりと感じられるお皿で、大人の舌を刺激してくれました。ロンドンらしい折衷主義がキーワード。

こういった野菜料理でさえ、当店の肝である直火の恩恵に預かっているのだとか。奥にある直火セクションでは職人さんたちが立派な炎を操り最上級のお肉に火を通しており、私も仲間に加わりたい衝動に(笑)。でも夏は暑いんだろうなぁ・・・。

見よ、この炎!

そう、そしてこの日は当店自慢のリブアイ800g(骨付き)をいただく運びに^^ アルゼンチン伝来のチミチュリ・ソースと、ホテトフライが付いてきます。見るからにジューシーそう♪ ビーフ好きな仲間達が我先にと、1ピースを確保していました。これで90ポンド。3人くらいで分けるとちょうどいい感じなのかも? ボナペティ〜♪

ジャーン。

美しいピンク色ですね^^ あ、左の写真は生のズッキーニの副菜なんですけど、よくあるズッキーニのパスタなどとは全く違う味で、すごく美味しかったです。素材が新鮮なのかな。

しかし私の賞賛を一身に浴びたお料理はこちら。ラム肩肉のじっくり煮込み! これが今年ダントツ一位をあげたい美味しさだったのです。ホロホロに柔らかくなったお肉と、甘辛いソースの組み合わせです。付け合わせも含めてその全てが絶妙で申し分なし。ステーキ組も、こちらのラム肉に群がっていましたw

また食べたい!

ぜいたくだなぁ。幸せ・・・

そして最後にこちらを。サフラン・リゾットのオッソブッコのせも、定番メニュー。ハズレのないお味ですわ。本当に。

サフラン・リゾットに仔牛のオッソブッコを添えたもの。美味♪

そしてデザートはこちら。ドゥルセ・デ・レチェのフォンダン! 濃厚だけどそれほどしつこくなく、マスカルポーネのクリームと調和♪ アルゼンチンらしいデザートですよね。

締めはこちらで!

こちらは味噌入りのチョコレート・ムース。濃厚でセサミ・クラッカーとよく合います^^

味噌味のチョコレート・ムース。

素敵な料理たちでしょう?

これらのお料理を監修しているのは、共同オーナー・シェフのフェルナンド・トロッカさん。アルゼンチンではトップ・シェフとして尊敬されている方で、2001年にオープンした最初のレストランはずっと国内トップ・レストランの50位内に入っているそうです。アルゼンチンにいながら世界の料理にも目を向けていたフェルナンドさんが創るお皿の数々はカラフルで美しく、味のバランスに至っては神業の域。個人的には今年のトップ・ロンドン・レストランの称号をさしあげたいです^^

そして彼の旧友であり、世界トップクラスのミクソロジストでもあるレストラン事業家、タト・ジョバノニさんが地下にあるバー「Abajo」を担当。アルゼンチンの海岸沿いの町に生まれたタトさんは、実家がレストランやバーを経営していた関係ですでに12歳くらいから飲食業界の洗礼を受けていたそうです。その後はグラフィックデザインを勉強し、アート・ディレクターとして活躍した後、自身がいちばん興味のあった業界、バーの世界へ。バーテンダーとして修業した後、2013年に自身のバーをオープンし、現在「世界のバー50」の7位にランクインするほどの人気バーも抱えています。

こちらはレストラン入り口部分のバー。Abajoは地下にあります。そちらのレビューはまた今度!

ともかくすごいアルゼンチン・デュオがこのレストランとバーを支えているのですね〜♪

そして後でリサーチをしていて気づいたことがあり、そちらもびっくり。なんとインテリアは日本人デザイナーのムラマツ・ノリヨシさんなんだそうです。ムラマツさんは海外の高級和食店をデザインされることが多いようで、Zumaなどの手がけておられるとか。さすが、高揚感のある空間づくりを得意とされている方ならでは。お見それしました。

ブエノスアイレスはまだ行ったことがなく、南米に行くなら、ぜひ立ち寄ってみたい都市の一つ。アルゼンチンの文化はボルヘスなどの作家しか知らないけど、いつか独自カルチャーを肌で感じてみたい♡

アラカルトのお値段は少し高めですが、火曜から日曜まではプレシアターの時間帯にお得なセット・メニューを用意していますので、そちらでお味見してみてもいいかも。私はとにかく早くこのレストランを再体験したい気持ちでいっぱい。どなたか一緒に行きたい方! 手を挙げて〜!!一緒に行きましょう^^

協力:英国政府観光庁

47b Great Marlborough Street, London W1F 7JP

店名Sucre
最寄り駅Oxford Circus
住所47b Great Marlborough Street, London W1F 7JP
電話番号020 3988 3329
営業時間毎日12:00 – 01:00(日は00:00まで)
URLhttps://www.sucrerestaurant.com
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About Author

岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系広告代理店にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン / Absolute London」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、脱プラスチック、自然療法への意識喚起活動を行うなど、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』(自由国民社)。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中。Instagram: @ekumayu

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